暮らしのある「まち」の注目ニュースをその街に暮らす3人の方々にお聞きします。
第2回は、1976年にまち開きされた洛西ニュータウンへ。また新たなコミュニティ、取り組みも広がりつつあるようです。

京都府立洛西高校・教師
河本卓さんのレコメンド

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地元の竹が影響? なぜか、カブトムシが大繁殖!


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高校生が考える地域の魅力を発信中〜


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地域とのつながりで高校生の探究力が育まれる!? 洛再Links。

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地元の竹が影響? なぜか、カブトムシが大繁殖!

学校周辺の清掃活動で集まった落ち葉を使って堆肥づくりを進めている洛西高校。これは、4年前から始まった洛西高校の課外授業「洛再Links」の活動の一つだ。Links広場と呼ばれる学校の中庭で高校生たちが日々集まり、土の手入れなどを行なっている。完全な堆肥になるには3年かかるのだけれど、1年終わったところで不思議な現象を発見。なぜか、竹のチップを使っているものの中からカブトムシが大量に繁殖。「どういう理由かは調査中で、いまだにわからないのですが、米糠を含んだものには生まれてこず、竹のチップを加えたものだけにカブトムシが繁殖するんです」という。この不思議な現象に生徒たちは「触れない〜(笑)」と言いつつも楽しみながら、堆肥とカブトムシを育てている。

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■ミミズ、ヤスデにゴキブリに「ぎゃー」。堆肥作りの活動も記録。

「洛再Links活動報告(https://www.kyoto-be.ne.jp/rakusai-hs/mt/about_us/2021/05/links-12.html)」

■竹のことならお任せを!

「京都発・竹・流域環境ネットの公式blog(https://kyototakenet.hatenablog.com/)」


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高校生が考える地域の魅力を発信中〜

洛西の持ち味といえば、竹林。その竹林の良さを校内でも感じられるように、ということで、竹イルミネーション装飾を生徒会メンバーなども参加し、毎年製作している。図柄を決めるのはもちろん、設置、解体、さらにその先、炭に加工するまでを担う。これを指導するのは、堆肥作りの指導もしている「京都発・竹・流域環境ネット」の吉田博次さんと物部瑳也さん。そして、ただ竹イルミを飾るだけでは終わらないのが、[洛再Links]流。「少しでも生徒発信のものをということで、まだまだそこまで考えるのは難しいこともあるのですが、考えて探究するところまでつなげていければな」と河本さん、生徒の将来に夢を描いていた。

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■洛西ロゴマークも映える!? 竹イルミネーション設置・装飾レポート

「京都府立洛西高等学校HP(https://www.kyoto-be.ne.jp/rakusai-hs/mt/about_us/2022/02/links-20.html )」


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地域とのつながりで高校生の探究力が育まれる!? 洛再Links。

次代を担う高校生の探究学習を目的に始まった[洛再Links]。今年で5年目を迎えるけれど、当初は5人程度の有志でスタート。「これからの高校生には、探究する力が必ず必要になってくるということで、地域の魅力を探究する[洛再Links]という活動を始めました。そのために地域の方々に協力を要請し、ひまわり畑のお手伝いや、新林池公園、大蛇ヶ池公園、小畑川中央公園の3つの公園での月1清掃活動や椅子などの塗装といった身近なところから取り組んでいきました」と河本先生。そんな地域との共生とともに考えた小さなスタートが、徐々に身を結び、さまざまな活動に展開。洛西名物の“竹”を調査されている吉田博次さんとも繋がった。「ひまわり畑の見頃の時期には、生徒が花を売り歩いてひまわり畑を紹介したり、蛍が見られる小畑川まで観察に行ったり、堆肥作りに竹を使った製作など、少しずつ活動の幅も広くなってきているなと実感しています」。今後の広がりにも期待大。

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■洛再Linksとは。そして、その活動報告も

「京都府立洛西高等学校HP(https://www.kyoto-be.ne.jp/rakusai-hs/mt/about_us/links/)」


今回のまちの案内人
河本卓さん

[洛再Links]を立ち上げ時から担当する京都府立洛西高校の先生。担当科目は国語。生徒指導部長を務め、サッカー部やLinks同好会の顧問を担当。国語の先生でありながら今やすっかりジャージ、長靴、軍手がトレードマークになっている。

今回の注目のまち
洛西ニュータウン

阪急電車・洛西口駅、またはJR桂川駅からバスで約10分/阪急電車・桂駅からバスで約15分。京都市西京区の西山丘陵に広がる大原野エリアにあるのが、1976年にまち開きされた洛西ニュータウン。約110種の竹、笹が植えられた竹林公園をはじめ、自然にあふれた環境が子育て世代にも人気。
高齢化や少子化といったいずれの街も抱える問題に直面しているが、グラフィックデザイナーや美術家、さらには外国人コミュニティなどもできつつある。その結果、まちと住人、そして様々なスポットや施設が手を取り合った新たな取り組みも盛んに。また、田園が広がるランドスケープも豊かで、地域と一緒になった農園イベントなども行われ、楽しいまちのムードが自然の中で広がりつつある。

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取材・文/小島知世、松村貴樹 写真/佐伯慎亮


2023.7.24

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