のぞみ野の街とともに24年。
暮らしの雑貨店「アントリー」を誌上探訪

のぞみ野の街とともに24年。
暮らしの雑貨店「アントリー」を誌上探訪

おそらく泉北高速鉄道沿線で暮らす人たちにとってはちょっと自慢の店。1999年にヴィンテージ好きな夫婦が南大阪の住宅街ではじめた小さなインテリアショップは、来年で四半世紀。SNSでいつでも自由に情報を発信できる時代になり、今では全国から「行ってみたかった」と、わざわざ和泉市まで足を運ばれる人も。

そんなアントリーの2階から1階、裏庭まで、ぐるっと店内を巡ってみました。まずは2階の家具売り場から。


もともとカントリースタイルのインテリアショップとしてスタートしたこともあり、オリジナルの家具に力を入れている。
ソファは、オリジナルの家具の中でも一番人気。ヴィンテージ感ある佇まいのソファ「Gino」はバフッと体を預けたくなる座り心地。 Gino 3P297,000円。
アーチ型のミラーもオリジナル。アンティークほどデコラティブではなく、ちょうどいい存在感。防虫効果もある桐材を使用。Wood archミラーL 24,200円。
1点もののトルコラグは伝統的な植物モチーフの柄をセレクト。靴を脱いで上がり、手触りなどを確かめられるコーナーも。
チーク無垢材を使ったシリーズ「Coupe」は、あえて耳を残し、無塗装仕上げ。接ぎ板にすることで価格を抑え、テーブルは天板も選べる仕様に。
吊り照明の中には、和泉市のガラス工房frescoとのコラボシリーズも。一点一点が手吹きよる手作り。
天井から吊られている椅子はERCOLやG-PLANなど、主にイギリスで買い付けたビンテージ。ちなみに、「SCOUT VINTAGE」というヴィンテージ専門サイトも運営。https://scout-vintage.com/
オンラインを主体に運営されているパーツ専門店「PARTS&SUPPLY」も、この9月より2階で展示スペースを新設!
LADDERAXのシステムユニットをはじめ、主にヴィンテージでまとめられたコーナー。2階はリビングやキッチンなどシーンごとのディスプレイで、イメージが湧きやすい。
階段の踊り場には大きな窓があり、裏庭の緑がいい感じに直射日光をさえぎってくれる。
「地元の方のなかには毎月来てくださる方もいらっしゃいます。何か探すことを楽しみにされているような。そういう癒やしを求めて来られる方に、都会とは違った提案ができれば」と、店長の荒樋一真さん。

店のコンセプトは「ヴィンテージと寄り添う暮らし」。ナチュラルでも土臭くなりすぎず、今っぽさとセンスの良さも感じさせるセレクトや、「こういうのを探してた!」な手に取りやすい価格のオリジナルなど、24年間でしっかり「アントリーらしさ」を確立した。

店の裏側には「since 1999 ANTRY」の文字が。実はこの壁のテラコッタカラーは、海外の倉庫をイメージしたそう
1999年、現店舗の向かいにある建物の一角で開業。
開業から5年後の2004年に、道を挟んで向かいのアカチャンホンポだったこちらの建物に移転。店に絡まるツタは、ここに移転した時にオーナー自ら植えたものだそう。壁を覆う成長ぶりに経年変化を感じずにはいられない。
つづいて1階へ。1階はキッチン雑貨やリネン、アロマグッズ、食品まで、幅広い商品を扱うも、“自然素材”がベースなので統一感がある。
表面に手掘りで模様を施したチーク材のカッティングボードは、料理やフルーツを載せるお皿代わりとしても。
充実しているのがオリジナルのポタリー。北欧アンティーク風から民族調までデザインも多彩で、オブジェとしても素敵。「アジアの工場とサイズや素材感などやり取りしながら作った力作です」と荒樋さん。右上のコロンと小振りな花瓶GreekVase1,650円など、手に取りやすい価格もこだわりの一つ。
生活雑貨以外に服飾も。ミズイロインドやヴェリテクールなど、主に国内ブランドをセレクトで。
アクセサリーも天然素材や作家による手仕事ものがほとんど。マクラメレースのピアスは松田紗和の作品。
河内長野に工房を構える革小物ブランドテハマナは、定期的にオーダー会も開催。眼鏡ケース8,140円。
生花こそ扱ってないものの、気軽に飾れるドライフラワーが充実。
木を基調としたレジカウンター。よく見るとスマホ決済のバーコード表示まで木製!
「基本的に自然素材のものや組み合わせやすいものをセレクトをしているので、どなたでも簡単にコーディネートがまとまりやすいよう意識しています」と、荒樋さん。 泉北ローカルの一店舗としては、「今後もここにしかないモノやコトを充実させて、全国からこの街に人を呼ぶことで活性化に貢献できたら」。
店名に添えられている「USE ONLY GENUINE」は、「正真正銘のもの、本当にいいものだけ」取り扱っていこう、という思いから。
エントランス横にはガーデンとカゴのコーナーが。中央の白いくびれのあるポットはオリジナル。Curve Pot L 8,800円。
もともとは和風の庭だったという裏庭は、住宅地ということを忘れてしまいそうな緑の深さ。
空が広い和泉中央駅前。駅から徒歩では20分ほどかかるけれど(バスもあり)、その距離感もまた特別。アントリーには無料駐車場もあり。

アントリー
住所/大阪府和泉市のぞみ野3-1-23
営業時間/10:00~18:00(2Fは平日12:00~)
定休日/火・水曜(祝日の場合は営業)
電話/0725-50-6040(雑貨・服) 0725-50-6051(家具)
https://antry.co.jp/

取材・文/天見真里子  写真/西島渚  編集/竹内厚

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