[芦屋シリーズ]
都心で気軽にマリンスポーツを!
兵庫県立海洋体育館
2021.08.14
芦屋浜団地 から徒歩約10分、阪神打出駅からも徒歩12分。阪神間では数少ない自然のビーチ、香櫨園浜(御前浜)を望む芦屋港には、「兵庫県立海洋体育館」がある。海洋体育館? それは、散歩さながらの気軽さでマリンスポーツを体験できる海のスポーツセンター!

「1984年に開催された『奈良わかくさ国体』、そのセーリング競技の会場がこの芦屋の海だったんです。その時に奈良県がつくった艇庫を兵庫県が引き継ぎ、マリンスポーツに親しんでもらうための施設をつくろうじゃないかということで、この海洋体育館ができました」と、スタッフの根来俊彦さん(写真・右)。
「マリーナ(ヨットや小型船を泊めておく小さな港)なので、リゾートのようなイメージをされるかもしれないのですが、ここは気の利いたレストランがあるわけでも、お酒が飲める訳でもなし(笑)。青少年の健全育成のための施設、というのが主な目的になっています」。


県立芦屋高等学校のヨット部や県立国際高等学校のカヌー部、さらに大阪の清風学園のヨット部、箕面学園のカヌー部などもクラブ活動でこの施設を利用しているそう。
とはいえ、“マイヨット”を置艇できる施設でもあり、愛好家個人が利用することもあれば、1~2時間でカヌーやヨットを体験できるメニューを揃えているため、マリンスポーツ初心者でも利用できるという懐の広さ。



たとえば、一度ヨットに乗ってみたいというヨットの体験コースでは、インストラクター同乗のもとで気軽に海へと出ることができる。
「インストラクターと一緒にひとつの船に乗るヨット体験は約1時間。セットアップは事前に私たちスタッフがやっておいて、お客さんには社長さんのように、どうぞどうぞ、と。でも、体験していただくディンギーヨットは、でん!とただ座っているわけにはいかないんです。バランスを取るために右舷から左舷へ移動したり、風向きや進行方向に応じて動かすブーム(帆桁)をその都度くぐってもらったり。そういう忙しさがあるので、クルージングのように決して優雅ではないのですが(苦笑)」。
最初から自ら操作することの難しいヨットに比べて、カヌーは小学3年生からでも1人乗りがOK。約2時間のカヌー体験コースなら、ライフジャケットの装着方法、パドルの動かし方、転覆した際の脱出方法などのレクチャーを受けたのち、すぐさま海へ!もうまもなく今季の予約キャパシティが埋まってしまいそうとのことで、私もこの日にチャンレンジしてみることに。








「海の上、それもせいぜい1m以内の水面近くを移動するのは非日常の体験です。カヌーもヨットも自然を感じられる楽しみがあると思います。
沖合には人工島の西宮浜や南芦屋浜があって、外海へ出るには遠いけれど、その分、波や風が遮られて穏やか。カヌーでも波があると非常に乗りにくくなりますが、ここは島に守られて比較的乗りやすい場所だと思いますね」と根来さん。
カヌーをレンタルするだけなら、1時間350円~ととてもお手軽。ここに来れば、マリンスポーツは誰にでも開かれています。



兵庫県立海洋体育館
住所/芦屋市浜風町30-2
電話/0797-32-2255
開館時間/4~9月:9:30~18:30(土日祝8:30~18:30)、10~3月:9:30~17:30
月曜休館(祝日の場合は翌日)
※スクールやレンタルの詳細は公式サイトを参照。ただし、今季のスクールや体験コースの予約はほぼ終了。レンタルは可能。
http://ashiyamarine.sakura.ne.jp
文:村田恵里佳 写真:西島渚 編集:竹内厚