
03
谷小夏さん

植物といっしょに暮らすこと。その心地よさを絵に表していただきます。
第3回は、気持ちのいい色彩で物語から抜け出してきたようなイラストレーションを描く、大阪の谷小夏さんです。
谷小夏さんに聞く、花のある暮らし
どんなときに植物や花を絵に描きますか。
構図として何かほしいと思ったところに葉っぱを描くことが多いです。花も模様としてよく描いています。描くときにはあまりちゃんと調べずに、記憶のなかの植物を組み合わせることが多いのですが、椿はよく描いてる気がします。仕事のイラストとして描く機会が多いのは、チューリップ、ミモザ、マーガレットなど。
今回の絵では、花瓶に入ったスイセンを持っていますね。
はい。梅とモクレンも描きました。どちらも蕾(つぼみ)ですが、蕾の状態の花が好きなんです。奥の飾り棚には椿の絵が入ってます。
そうか、インテリアの装飾として植物に触れている人も多いのかもしれません。
そうですね。ただ、描いた部屋は特にモデルはなくて、自分で想像して考えた部屋ですけど。
個人的に好きな花はありますか。
特にはないのですが、たまに私のおじいちゃんが育てている花を切って、家に持ってきてくれるので、それを花瓶に入れて飾っています。お花屋さんに売ってる花よりもたくましい感じがしますね。
谷さんの植物にまつわる思い出、何かありますか。
小さな頃は花をすりつぶして色水をつくって、よく遊んでいました。
今に通じるような。
そうかもしれません。あとは、夜に散歩していると、街にある草花が昼よりも魅力的に感じられることが多くて。数年前に夜の散歩でモクレンの木を見かけて、街灯の光で蕾が輝いて浮かんでるように見えたのがとても印象的でした。今回、モクレンを描いたのも、そのときにモクレンの美しさを再発見したことがもとになっています。
谷小夏
1993年大阪生まれ。2016年、京都精華大学デザイン学部イラストコース卒業。
個展「rakonto」
2021年3月23日~4月4日 京都・Kara-S
個展「estetika」
2021年5月3日~16日 京都・壬生モクレン
Instagram:@tani_konatsu
twitter:@konatsu_e
2021.3.9