
08
森田るりさん

植物といっしょに暮らすこと。その心地よさを絵に表していただきます。第8回は、京都を拠点にマンガ家として活躍する森田るりさんです。
森田るりさんに聞く、花のある暮らし
描いていただいた植物には餅花が飾られていますね。
はい。この時期(年末年始)なので、あたたかそうでにぎやかな絵がいいかなと思いました。餅花はお正月飾りとして日本各地に伝わる伝統ある飾りものだそうですが、熊本県出身の私は京都に来てからよく目にするようになったように思います。
植物はなんですか。
モンステラです。きっとこの家で栽培しているもので、そこに餅花を飾りつけたんだと思います。年中、青々としたモンステラと、季節物の餅花を一緒に飾ったらかっこよさそうと思って描きました。
森田さんが花や植物を絵に描くのはどんな時でしょう。
出歩いていて、印象的な植物を見かけたら描くことがあります。好きな植物はいっぱいありますが、巨木は見ていて圧倒されるのでかなり好きです。
ということは、近所にもお好きな植物スポットはありますか。
京都だと御所の木を眺めるのが好きです。すぐ見にゆけますし。山中や森の中の巨木は他の植物などに埋もれて、根もとからてっぺんまで一望することが難しいし、どうしても山や森全体の印象が勝ちますが、京都御所の木々は手入れが行き届いているので、根もとからてっぺんまでがどーんと木が単体として視界に入ってきて毎度、新鮮です。
ではご自宅にも花や植物はありますか。
花より緑の方が好きで、観葉植物、多肉植物、水草をいくつか自室の窓辺に置いていました。が、猫がうちに来たので、猫にとっては毒性のものも多いし、ひっくり返されるのも怖いので、植物は別室にうつしました。
かなり充実してそうですね。
わが家には屋上があるので、そこでもいくつか鉢植えを育てています。屋上のレモンが今年も実をつけたので、焼酎に漬けなきゃと思っているところです。
森田さんの植物にまつわる思い出があれば、ひとつ教えてください。
特筆すべき思い出でもないのですが、子どもの頃、サルビアの蜜を好んで吸っていました。でもその翌年、突然まったく吸いたいとは思わなくなって、むしろ蜜を吸っている友達にひくようになったのは不思議でした。
森田るり
2013年講談社アフタヌーンで漫画家デビュー。2017年『我らコンタクティ』を出版。現在、コミックデイズにて『自転する彼(女)』連載中。
Instagram:@moritarurib
Twitter:@moritarurib
2022.01.02