[広島シリーズ]
広島でUR団地に住んでみるなら

広島の水辺 “ポップラ”の木を訪ねて

文:ひらの

はじめましての「まち」を訪れたら必ず探してみるのが、そのまちの本屋さんと映画館。そこでセレクトされた本や映画に出会いたい。時間があれば川辺の風景も眺めたい。あとは、休憩できる喫茶店。2日目があるなら、アートギャラリーや美術館を巡りたい。

有名な観光地は、誰かに連れていってもらうときに。まずはそのまちの人の日常のちょっと隣くらいの場所でゆっくりしてみたい。もしこのまちに住むんだったらって思いながら。


広島に取材に来たら、ある「木」を目指すことになった私。

きっかけは最初に訪れた本川町の本屋さん「READAN DEAT」の店主・清政さんの言葉だった。「白島北町団地を見に行くまでに、寄ってみるといいところありますか?」と尋ねたところ、「本川(旧太田川)沿いの基町アパートの近くに、シンボル的に立っている大きな木へぜひ」と薦めてもらったからだった。聞けば、広々した河川敷にどこから見ても”これ!”って感じで立ってるんだと。夏になればそこはバーベキューしたりピクニックしたり、人が集まる場所になる。そんな人を惹きつける木ってどんななのだろう。どうしても、会いたくなった。


私はいくつかの本と器をお土産に買って、すぐお隣のカレー屋「ばばじ」で、スクランブルエッグと野菜の乗ったカレーで腹ごしらえをして、すぐにその「木」に向かった。

道中、新しくサッカースタジアムを建設するという広場を通過する。その広大な土地は元は中央公園だったと教えてもらった。今からまさに工事着工するよというような雰囲気。完成は2年後の2024年。まちの人には大きな変化となるのを想像する。

そうして水辺の風の冷たさに震えながらも歩を進めていくと、“はい!“という感じで立っている木が2本現れた。葉が落ちているので枝だけ。それでもなぜかキラキラ光っているように見える。案内板を見返すと、丸い方はニセアカシヤ、細長い方はポプラの木とのこと。どちらも数々の厳しい環境を乗り越えて、そしてまちの人々に守られたり再生されたりしてきた事がわかった。これらの木を中心にするように、この水辺の道は”基町POP’LA通り”と名付けられていた。


気づけば思った以上に長居をしていたようで、予定の時間が迫っていた。横川まで足を伸ばして、映画館にも行きたかったし、団地にも行こうかと思ったが、この木に出会ったことだけで、なぜか充分満足してしまう自分がいた。もしこのまちで住むんだったら、って考えてもまだよくわからないけれど、なぜだが、また緑が繁る頃ここに来ているような気がした。


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