ニュータウンのど真ん中らしい
すっきりジェラート。生もあり!
おいしいジェラート屋さんLAMP

ニュータウンのど真ん中らしい
すっきりジェラート。生もあり!
おいしいジェラート屋さんLAMP

ジェラートといえば、多くはイタリア料理店に併設されていたり、新鮮なミルクが調達できる牧場にあったり。どちらかと言えば素材や産地に近い場所で出会うことが多いけれど、「おいしいジェラート屋さんLAMP」は泉北ニュータウンのど真ん中。
泉北高速鉄道の泉ケ丘駅が最寄りの高倉台で2019年春から店を構えている。

こちらのジェラート、定番のミルクやチョコレート、ピスタチオなどに加えて、一度は味わってほしいのが生ジェラート。夏ならパインやマンゴー、桃など旬の素材を使ったジェラートで、“生”と付くのは、注文ごとに生の果実を合わせて提供してくれるから。

パイン×ミルクなら、まずパインのソルベとミルクのジェラートを混ぜ合わせ、そこへカットしたフレッシュパインを加えてさらに混ぜる。つまり、注文後にちょっとした調理がショーケースの中でなされる。

店主の乗松宏将さんいわく、「生ジェラートはジェラート自体も旬のフルーツを使って作っているので、そこに生の果実も加えて素材そのものの味も楽しめるようにしました」。

左/夏の生ジェラート、パイン×ミルクと定番のアールグレイミルクティーのダブル550円。右/ピスタチオのシングル450円。シングルは味が1種類で玉は3つ入り、ダブルは味が2種類で4玉も入っている。「ディッシャーが小さいから」とはいえ、満足感はひとしお。

旬まっ盛りの果実をジューシーな食感まで味わえる生ジェラート。乗松さんは果実だけでなく、意外な素材を使った「LAMP」オリジナルのフレーバーにも挑戦している。

「8月以降はトウモロコシをやったり、冬はおイモ(サツマイモ)やカボチャをやったり。産直所へ行ったりして、おいしそうやなと思ったものをどんどん作っていく。とらわれることなく、おもろそうやな!と思えば作りますし、「こんなんやってほしい」というリクエストを聞いて作ることもあります」。

そんな柔軟かつ果敢な乗松さんは、泉北生まれの泉北育ち。
かつてはトラックの運転士だったが、「30歳をきっかけに何かやりたいなと思って」と転身を考え、興味を持ったのがジェラートだった。

そこで知人から那覇の生ジェラート&生ジュースの店「H&Bジェラ沖縄」を教わり、「話だけでも聞けたら…」とお店を訪ねたところ、必要な機材から作り方、生ジェラートのことまで快く教えてくれたのだそう。

「ジェラート=濃厚というイメージがあると思うんですけど、沖縄で食べたジェラートは後味すっきりでもう一回食べたくなるような味わいだったんです」と乗松さん。

パインやマンゴーといった果実そのもののおいしさを味わうような生ジェラートだからこそ、「H&Bジェラ沖縄」のジェラートは卵を使っていなかった。
「卵を使えば濃厚な味わいになるんですけど、沖縄で味わった“あのおいしさ”に近づけたかったのでうちも卵は使わずに。実際そうして作るうち、卵を食べられないお子さんがいるということを知って。それなら今後も卵を一切使わないジェラートをやっていこうと」。

また、濃厚さよりすっきりとした後味のジェラートにこだわる理由は泉北という土地柄も大きい。
「ここは住宅街でちっちゃい子も年配の方もいらっしゃるので、最後まで食べれるものにしたい気持ちもあって。濃厚なジェラートは、僕が食べても最後の方は食べられへんくなるやろうなぁと」。

「LAMP」は店舗のみならずキッチンカーでの販売もおこなっていて、月4~5回は大阪府内のあちこちに出動。マーケットなどイベントに出店することもあるが、ときには介護施設へ赴くことも。

「年配の方はアイスクリームが好きで。「最近、何も喉を通らんかったけど、これは食べれた」「なんでもよぅ食べきらへんけど、これは食べ切った」とか、すごく喜んでくれて。それもやりがいがあるなって。お店には幼稚園帰りのお子さんも来てくれたりする。そういう子どもたちの成長が見られるのも楽しいですよね。もう小学生になったんやなぁ、とか。これも住宅街にある店ならではだと思いますね」

住宅街に佇む白い一軒家が店舗。もともとは「角地のいい場所だから」と決めた住居物件で、のちに店舗を併設。府道38号沿いにあるが、駐車場もある正面入口は通りの裏側。
店名の由来について、「つながっている人、出会った人たちの心にあかりが灯せる、そういう場所になれればいいなぁと」と乗松さん。
こちらが乗松宏将さん。4兄妹で兄、姉ともに飲食に携わっているのだそう。
学校授業の一環として、近隣の学生たちが栽培した野菜を使ったジェラートを作る予定もあり。冬季は自家製の焼き芋にミルクのジェラートを添えた特別メニューなど、季節を問わず魅力的なラインアップがそろう。
イートインもOK。取材時も近所の人が散歩ついでに立ち寄っていた。
手みやげや贈りものに最適なカップジェラートも販売中。店先には24時間購入できる自動販売機もあり。
「すごい才能のある人たちばっかりなんです」とレジ横で販売するポップなグッズは、泉南「コミック カウンシル」で表現活動をおこなう障がいを持った人たちのアートピース。なかには「LAMP」のためにつくられたジェラートキャラのピンバッジも。

おいしいジェラート屋さんLAMP
住所/大阪府堺市南区高倉台1-19-7
営業時間/11:00~18:00
火・水曜休(祝日の場合は営業)
電話/072-370-1903
https://lamp-gelato.raku-uru.jp
https://www.instagram.com/lamp.gelato/

取材・文/村田恵里佳 写真/岡本佳樹 編集/竹内厚

記事をシェアする
NEW ARTICLES
/ 新着記事
RELATED ARTICLES
/ おすすめの関連記事
近くのまちの団地
住まい情報へ