小山泰徳さん

千里グリーンヒルズ東町
/青木あすなろ建設 設計部

2020年11月に完成予定の 千里グリーンヒルズ東町 は、新千里東町団地の建て替えとして、新たに3棟の賃貸住宅を建設しています。
設計の立場で千里グリーンヒルズ東町に関わっているのが、小山泰徳さんです。


―千里グリーンヒルズ東町では、施工を担当されている青木あすなろ建設が、実施設計も担当されています。

簡単にいえば、URさんの基本設計をベースにそれを具現化する図面をつくるのが実施設計です。実施設計では、URさんの設計条件に加えて建築基準法や豊中市の条例といったさまざまな規定に適合した建物にする必要があるため、関係各課と何度も行政協議を行い、その内容を図面に盛り込みます。そして、ようやく現場の施工が始まります。
今回は、工事着工までにURさんとの設計定例会議を隔週ペースで約1年以上行いました。また、行政手続きがかなり多く、行政のチェック体制もしっかりしていたので、実施設計期間はその対応に苦労しました。

―青木あすなろ建設として、実施設計はどれくらいの人数でなされるのでしょう。

今回の場合は7人ほど関わっています。構造、設備、意匠という分野別にそれぞれ担当がいて、私は意匠設計の担当をしています。私は入社して20年目、新入社員の1年間は工事部で現場配属でしたが、それ以降は設計部でずっと意匠設計を担当しています。

―千里グリーンヒルズ東町の建物は、意匠面でたとえばどんな特徴がありますか。

住棟の基壇部にレンガ調のタイルを使ったり、建物のデザインにアクセントをつけるためマリオンと呼ばれる縦方立を採用するなど、これまでの団地イメージとは異なるところがたくさんあります。
また、バルコニーの床仕上げに貼るシートも通常は1色で貼るケースが多いのですが、今回は部屋のコンセプトにあわせてシートの色を変えているのも特徴的です。

建物の姿が見えてきた千里グリーンヒルズ東町。写真に写る部分だけでも、バルコニー外装部の表情はさまざま。

―実際の工事がスタートしてからは、設計部としてはどのような動きになりますか。

図面通りに工事が進んでいるかを確認したり、現場からの質疑対応を行います。民間の設計施工案件とは違って、今回は第三者監理として鷲尾建築設計事務所さんが監理を担当されていますが、私たちがつくった図面通りに工事が進められるか、当然、青木あすなろ建設としても確認をしています。
竣工が近づいてくると、どうしても図面では表現しきれない塗装の塗り分けなど、細かな部分に関してUR担当者さんや現場担当者との打ち合わせが増えてきます。

―設計した建物を同じ社内の施工部門が施工することの大変さもありますか。

現場に図面が渡ったときに、同じ社内ですから「これは無理」といった率直な意見も出てきやすい。なので、私たちは施工現場のことも考えながら図面を描いてます。もしわからないことが出てくれば、図面を描いている時点でも施工部門に確認をとったりすることもあります。

―それは強みですね。設計において今回の仕事ならではのことが何かありましたか。

敷地としては南側が低く、北側が高い高低差のある地盤です。加えて、今回、新たに建て替える3棟の周りには既存の団地が違う高低差の地盤に建っています。福祉的な観点からも、誰もが使いやすい建物とするため、いかに段差を設けずにそれぞれの建物へアプローチできるかを考え、段差解消のためのスロープを設けるなどして設計を進めました。
今回の仕事を受注した最初の頃は、この複雑な地盤をぱっと想像することが難しくて、 ちょうどその頃入社してきた社員にこの場所の模型をつくってもらいました。この地形を認識する上ではその模型がすごく役に立ちました。

その模型はいまも現場に置かれて、折にふれて参照されています。

取材・文/竹内厚 撮影/バンリ

記事をシェアする
関連記事
近くのまちの団地
住まい情報へ