引き継いだパンの味。そして、うどん!?
Rios

[芦屋シリーズ]

引き継いだパンの味。
そして、うどん!?
Rios

行き交う車は高級車がやや多めな、芦屋の宮川けやき通り。芦屋朝日ケ丘団地 にも程近いこの通りに、三角屋根のかわいいパン屋さん「Rios」がある。
こちらは東山町本店で、2019年に芦屋浜店、2020年秋にJR芦屋駅前のラ・モール芦屋店がオープン。と、快進撃を続ける芦屋発のベーカリーなのだが、その始まりはやや異色。「そもそもパンを作ったことがなくて…」という店主の加島里央さんが開店の経緯を教えてくれた。

「東山のお店には、もともと「タマス」というパン屋さんがあったんです。僕の家が近かったことと、変わったお兄さんがやっていて、おもしろそうやったんで通うようになって。長らくお世話になったお店だったんですけど、やめはるということで、その後を僕が継いだんです」。

パン屋「タマス」を引き継ぐかたちで、加島里央さんが始めたゆえ、店名は「リオス」。
小学校の向かいにあり、もともとは文房具店の住居兼店舗として使われていた建物だそう。

当時、加島さんはイタリア料理店や居酒屋での調理経験はあったが、パンづくりは初心者。「タマス」のご主人に2週間つきっきりでパンづくりの技術を仕込んでもらい、「そのまま勢いでオープンした感じ」というからスゴい。

「タマス」直伝のハードトーストとクリームパンの2種だけで2011年、店をスタートし、現在もそのふたつは商品名もろとも引き継いでいる。なかでもハードトーストは、加島さんが大切にするひと品。というのも「タマス」のハードトーストは、神戸にドイツパンを伝えた名店「フロインドリーブ」の系譜を引いたもの。

「最初はその2種類のパンだけで開店して。でも、お客さんのなかには年配の方も多くて、ハードを食べられない人が出てきた。世の中でやわらかいパンが求められていたこともあって、だんだんそっちを増やしていった感じですね」。

「タマス」の、さらにもとをたどれば「フロインドリーブ」の系譜を引くハードトーストは土曜のみ販売。定番の食パンは、しっとりもっちり仕上げの角食、芦屋の水でこねあげたもっちりハード系のリオストーストなど6種。

芦屋市内に3つあるお店は、すべておなじパンを揃える。トーストやサンドイッチ、ミルクフランスなどのおやつ系まで、1日に揃えるパンは約20種。特にお昼ごはんにぴったりなサンドイッチは充実のラインアップに。

サンド類はひとつで腹パンになるほどのボリューム。
かわってこちらは芦屋浜店の様子。

山側のにぎやかな通りにある本店に対して、海側の芦屋浜店は住宅街の一角にあり、その佇まいはさりげない。
ところが取材当日は、隣の店舗がにぎやかに工事中。そしてファサードには、BAKERYの文字。もしかして…?

「そうなんです。隣りにイートインスペースを作っていて。かき氷とか、うどんを出したくて」と加島さん。…うどん? ひととき耳を疑ったが、「まだ麺を手で打つとこまではいってないんですけど、ダシにはこだわっていて」と、穏やかな口調から確かな気合いが伝わってきた。

小麦粉つながりではあるけれど、前代未聞。パン屋のうどん、その新展開はあまりに痛快!
「大きい声で言えることではないんですけど…。そもそもパン屋も、どこかで修業して、という経験がない。これまでそんな感じで来てるんで、うどんもそんなに抵抗なく。それぐらいの方がおもしろいかなって」と、加島さん。

右に立つのが加島里央さん。パン屋だけどうどんあり。記事公開時にはすでに開店してるはず。

ちなみに、うどんとともに提供予定のかき氷は、アイスクリームを乗せたプレミアムと普通サイズの2種を検討中。開店まで1週間ちょっとと迫ったこの日も、「まだ試作が続いていて」と加島さんは悩ましくも楽しそう。

ベーカリーの枠にとどまらない快進撃は、これからもきっと続く。

芦屋浜店の軒先にて。和風仕立てのサバサンドは“推し”のひとつ。

Rios本店
住所/芦屋市東山町29-20
営業時間/10:00~18:00 日・月曜休
電話/0797-69-7525

Rios芦屋浜店
住所/芦屋市呉川町12-15
営業時間/10:00~18:00 日・月曜休
電話/0797-61-5224
※うどんの販売は芦屋浜店のみです

文/村田恵里佳 写真/西島渚 編集/竹内厚

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