イラストレーターのタダユキヒロさんは、関西のUR団地に暮らしています。そこで目にした風景をスケッチしてもらいながら、日々の暮らしについての話もあわせて掲載。今回は、自室の台所スケッチと、食洗機との戦いについて。

洗い物のストレス回避のために何ができるか
家事が昔から嫌いだった。最近では家事全般ができなくなっている。いかに家事をしないですむか、そのことばかり考えている。
とりわけ面倒だと感じるのは洗い物。なぜ洗い物が嫌いなのかを自分なりに分析してみれば、手に泡、油がつくあの段階が苦痛なのだと気づいた。手がぬれることまではなんとかガマンできるのだが…。
だから、食洗機を買った。賃貸団地で使うことのできる食洗機、4万円しないくらいのもの。…けど、これもかなり早い段階で食洗機に食器を入れること自体が面倒くさくなった。
これは、なるべく大皿にすべてにおかずを盛ることでひとまず解決した。茶碗などは使わず、1枚のお皿にプレートと称しおかずを盛る、カフェスタイルでいただいている。食材を切るときもまな板にサランラップを巻くなどして、まな板をなるべく洗わないようにすませるとか。そういった細かい知恵を重ねて、洗い物がストレスにならないよう工夫している。
それでも問題は続く。この世には食洗機に入れていい食器、入れてはいけない食器というのが存在し、入れてはいけない食器はおしゃれな食器が多い。シルクで絵のついたコップとかも、プリントが剥がれてしまうので手で洗わなければならないと。
結果的に、食洗機で洗える食器だけを使うようになった。無印や100均のものが中心。あまりにも無機質な食卓になったので、後に半分くらいは食洗機に入れてはいけないという、いい食器も使うようになった。それも食洗機で洗うが、逆算した結果、自分がそんなに長生きするとも思えないので、悪くなっても仕方がないとあきらめがつくようになった。
また別の問題が立ち上がる。食洗機を掃除するという、購入前には想像もしていなかった作業がある。2週間に1度はやったほうがいいらしい。もちろん、なるべくやりたくないので食洗機を汚さなくてすむ方法を考えた。
ちょっと口などを拭ったティッシュを捨てずに紙袋にとっておいて(エコだから)、それを使って食器の油をとり、食べかすなどもついてないかを確認してから食洗機に入れるというルールができた。その際、絶対に手に油がつかないようにする(ストレス回避)。
さらに、食洗機に自力で6リットルの水を入れるという作業が面倒になってきた。そう思う人間が多いのか、食洗機メーカーがつくった給水塔のような便利アイテムがあり、それを使えば一気に6リットルの水を入れることができる。簡単にはなったのだが、もちろん今ではその給水塔に水を入れるのが面倒くさい。
最終的には食事をつくることさえも面倒になっているのだが、今回はこれくらいにしておきます。
スケッチ/タダユキヒロ 編集/竹内厚
2023.02.22