イラストレーターのタダユキヒロさんは、関西のUR団地に暮らしています。そこで目にした風景をスケッチしてもらいながら、日々の暮らしについての話もあわせて掲載。
今回は、日々の散歩がいかに楽しくて、思うに任せないかについて。


近所の散歩で1万歩を目指しているのだけど

健康のためになるべく散歩に行くようにしている。
コロナをきっかけにジムをやめてしまったこともあり、それくらいしか運動をしないので。本当は習慣にすれば体によいのだろうけど、まだそこまではいってない。

散歩が純粋に楽しいのは、旅先や初めて行った場所とかで、何年も住んでいる家の周りを熱心に散歩するかといえば、やはり何かちょっとは目的が欲しかったりもする。ゴールにカフェがあったり、100円ショップに用事があったり、とか。あとは、考えごとをするときにも散歩すれば考えがまとまったりもする。それも目的といえるかも。

住んでる団地の周辺にはちょっとした広場があったり、川もいくつか流れていて、工夫次第ではそれなりに楽しめる。

たとえば、ある日の散歩コース。
家をスタート、歩いてすぐのコンビニでコーヒーを買う。はじめは水筒にコーヒーを入れたりもしていたが、重いし、洗うのが面倒になってすぐにやめてしまった。とりあえず、河原近くまで歩く。桜がきれいな場所があるので見頃になっているかと思って。川まで出ると少し遠くに橋が見える。橋の補修作業をやっていて、大掛かりな足場が組まれており、ここから見るとまるでマインクラフトや昔のドット絵のような雰囲気の橋になっている。いつか元の状態に戻ると思うが、自分は今のままが好きだ。
少し川沿いに歩いたあと、そこから離れて別の桜ポイントへ向かおうとするが、ここの桜で満足してしまって行く気が失せてしまった。コーヒーも飲み終えたので、このまま帰ることに。3000歩も歩いてなかった。目標は1日1万歩。

たとえば、ある日の散歩コース。
今日はギャラリーまで展示を見にいく。歩いてすぐのコンビニでコーヒーを買う。ギャラリーは少し離れているので往復するとなかなかの歩数になるだろう。コーヒーのせいだろうか、5分ほど歩けばトイレに行きたくなる。いろいろと計算した結果、いったん家に戻ることにした。用を足すとそのまま出る気が失せてしまったので、ソファに座ってコーヒーを飲んだ。コーヒーを買うだけの散歩になってしまった。当然ながら1500歩も歩いていない。

またある日の散歩コース。
今日は河原に夕日を見にいく。歩いてすぐのコンビニでコーヒーを買う。夕日を見ながら優雅にコーヒーが飲みたくなったのだ。
空のコンディションによっては本当に美しい日があって、これが無料なんだからすごいなといつも思ってしまう。昔、読んだ誰かの文章で、「本当に美しいものはどれもみんなタダです。夕日も猫も…」みたいなのがあって、本当にそうだよなと毎回、納得してしまう。
夕日を見た後は川沿いに歩いて楽しもうと思ったが、コーヒーを飲み終えたのと美しさに満足したため、今、帰るのが一番優雅かもと思い、その日はそのまま帰ることにした。この日も2000歩程度。いつになったら1万歩歩けるのだろう。

スケッチ/タダユキヒロ 編集/竹内厚

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