[千里ニュータウンシリーズ]
家具と一緒に
あと3年を楽しむ家
2022.11.05
大阪の阪急南千里駅から歩いて10分ほどに位置する千里津雲台団地。築50年を経て、建て替え計画が進む中、残り3年を最後までここで住もうと決めた家族の家を訪ねました。





「家具作りは収納棚3つからはじめました。
今ではここが娘の定位置」
「家具作りは収納棚3つからはじめました。
今ではここが娘の定位置」





「カウンターテーブルは妻の定位置。
家電に合わせてサイズを調整。
コロコロ台の上にはお米が乗っています」
「カウンターテーブルは妻の定位置。
家電に合わせてサイズを調整。
コロコロ台の上にはお米が乗っています」






空間構成と施工のプロで、家具職人でもある夫のヤスマサさん。妻のユキさんと娘さんとの2DK3人暮らし。
玄関の靴箱から本棚、ダイニングのカウンターテーブル、収納棚に、おもちゃ棚まで。どの部屋にもヤスマサさんの手で作られた家具が、まるでずっとそこにあったかのように並んでいました。
「賃貸のルールに沿って、作り付けにはせず全て動かせること。そのテーマ(ルール)が僕には面白くて。新作のおもちゃ棚も分割できてかつ既成のトレーに合わせてピッタリ収まるよう設計しました」
と、話すヤスマサさんは、生まれも育ちもUR団地。2008年まで実家だった千里山団地で暮らし、その後結婚と仕事を機に東京暮らしや大阪での平屋暮らしも経験。“やっぱり落ち着かないなぁ”ともう一度千里ニュータウンでの団地暮らしに戻って、来年には10年になるのだそう。
ここ、千里津雲台団地は3年後に取り壊し、建て替えへと計画が進んでいる。ご近所さんたちは順次仮住まいに移行したり、去ったりとここ数年は変化も激しいけれど、一家はこれまでと変わらず、期限の最後の最後までゆったりとここでの生活を楽しんでみたいとのこと。
その次は、またその時に考えて。

写真・文:平野愛