陸奥賢さんと
梅田のまち歩き辞典をつくろう!04

[梅田シリーズ]

陸奥賢さんと
梅田のまち歩き辞典をつくろう! 04

ターミナル、地下街、高層ビルで埋め尽くされたように見える大阪・梅田。ですが、実はまち歩きにも適した、さまざまな歴史と文化の積み重なったエリアなんです。
大阪各地のまち歩きをガイドしている陸奥賢さんにお願いして、梅田がもっと楽しくなるキーワードを少しずつ紹介してもらいます。今回、紹介するのは、梅田墓地、圓頓寺のサギ、屋上ビアガーデン、空中庭園大明神、タレ弁です。


阿呆陀羅経
[あほだらきょう]


梅田墓地
[うめだぼち]

かつての梅田貨物駅界隈には、大阪七墓のひとつ、梅田墓地がありました。都市化によって、どんどんと規模は縮小し、ついに貨物駅の再開発によって墓地は移転することに。JRTT(鉄道・運輸機構)によって永代供養が行われ、平成22年8月末日に梅田墓地の地蔵尊は四天王寺の地蔵堂へ。供養塔や墓石群は川西市の稱名寺に。遺骨は一心寺へと収められました。

:実は梅田墓地の隣には小さい池もありました。池には鯉がいましたが、池も埋め立てられることになったので、鯉は堂島川に放流されました。いまも堂島川のどこかでは梅田墓地の鯉(の子孫?)が泳いでいるかもしれません。

牛の藪入り
[うし-の-やぶいり]


圓頓寺のサギ
[えんどんじ-の-さぎ]

太融寺町にある圓頓寺は、上方落語「鷺とり」の舞台です。怠け者の男が夜中に寺へ忍び込み、寝ている鷺を盗もうとします。眠った鷺は簡単に獲れたので、男は大量に鷺を盗み、鷺の首を着物の帯に挟みます。夢中になって捕まえていると朝になり、鷺たちが目を覚ましました。鷺は人間に捕まっていることに驚き、一斉に飛び立ったので男も一緒に大空へ。大阪中を飛び回り、「助けてくれ~!」と男が叫びつつ、何かにしがみつくと、それは四天王寺の五重塔でした。

:江戸時代の荒唐無稽な上方落語ですが、当時の高い建物といえば四天王寺の五重塔ぐらいだったようです。高層ビルが立ち並ぶ現在の梅田なら、いくらでもしがみつくところがあるから大丈夫!?


屋上ビアガーデン
[おくじょう-びあがーでん]

昭和28(1953)年、「ニユートーキヨー大阪第一生命ビル店」での出来事。本田技研がオートバイ展示会の招待客にビールを振る舞う予定でしたが、あまりに大勢なので店内に入りきらず、苦肉の策で会場を屋上にしたら、あっという間に大人気になりました。翌年には「ビアガーデン」という名前で常設店が生まれ、これが日本全国に普及したことから、屋上ビアガーデン・ブームの元祖といわれています。

:大阪第一生命ビルは日本初の12階建てを実現した高層ビルでした。建築中にはまだ許可が下りず、ひとまず9階建てで完成させたそうですよ。

大阪タワーとゴモラ
[おおさかたわー-と-ごもら]

大阪駅の初代駅長
[おおさかえき-の-しょだいえきちょう]


怪盗イナズマ小僧
[かいとういなずまこぞう]


空中庭園大明神
[くうちゅうていえんだいみょうじん]

1993年に完成した梅田スカイビル。イギリスの出版社が発表した「TOP 20 BUILDINGS AROUND THE WORLD」にも選出された、世界に知られたビルディングですが、その40階展望フロアには空中庭園大明神が安置され、その御神体はなんと「隕石」。恋愛成就にご利益があるそうです。

:梅田スカイビルはその独特の形状から「浪速の凱旋門」「新凱旋門」なんて呼び名も。「TOP 20 BUILDINGS…」では、アテネのパルテノン神殿、ローマのコロッセオ、インドのタージ・マハルなどと並んで紹介されとります。


渋谷ビール
[しぶたにびーる]


ソーライス
[そーらいす]


タレベン
[たれべん]

明治4(1871)年、大阪初の郵便役所が設置されました。場所は、現在の日銀大阪支店のあたり。ですが、当時の大阪市民は、手紙に切手を貼って郵便ポストに入れるだけで手紙が届くというのがなかなか信用できなかった。「これは、お上が手紙の中身を調べているに違いない」とデマが流れます。中には「郵便」を「タレベン」と読み、「これは小便をたれるところや!」と得意げに説明するご隠居もいて、郵便ポストに放尿する者も現れたのだとか。

:江戸時代は男も女も街角や道端にあった肥桶で丸出しで用を足すのが一般的でした。幕末に来日した外国人がその光景を見て、びっくり仰天しています。そんな江戸の名残もあって、道端のポストをタレベンと呼ぶのも無理はなかったのかもしれません。

大日本ドケチ教
[だいにほんどけちきょう]

谷三兄弟
[たに-さんきょうだい]


兎我野の鹿
[とがの-の-しか]


ナマズ稲荷
[なまず-いなり]

菜種御殿
[なたねごてん]


歯神社
[はじんじゃ]


ワールド
[わーるど]

王仁博士
[わにはかせ]

参考文献:
雑誌『郷土研究 上方』(創元社)
『大阪史蹟辞典』(編・三善貞司/清文堂)
『新・大阪モダン建築』(編著・橋爪紳也、高岡伸一、三木学/青幻舎)
産経新聞「肝試しか婚活か…近松作品に登場する「大阪七墓巡り」現代人がはまるワケ」
http://www-origin.sankei.com/smp/west/news/141216/wst1412160008-s.html
マイナビニュース「オムライス、回転寿司、佃煮……実はこんなにある大阪府発祥のグルメたち」
https://news.mynavi.jp/article/20130727-a029/


陸奥賢

1978年大阪生まれ。「世界観に光をあてて揺さぶる」をモットーに「大阪七墓巡り復活プロジェクト」「まわしよみ新聞」「直観讀みブックマーカー」「当事者研究スゴロク」「劇札」「歌垣風呂」「仏笑い」など、日夜、妙な遊びの仕組みを作って世間に広めている。


文:陸奥賢 編集:竹内厚

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