うめきた2期地区開発プロジェクトにかかわるシゴト
大阪都市計画局

[PEOPLES]

うめきた2期地区開発プロジェクトにかかわるシゴト
大阪都市計画局

大阪駅の北側に広がる約24ヘクタールの土地の開発を進める大阪駅北地区(うめきた)プロジェクト。 2013年に開業したグランフロント大阪を先行開発区域として、つづく第2期の工事が着々と進んでいます。

うめきた2期地区開発プロジェクトは、三菱地所株式会社を代表企業とする民間企業9社による「うめきた2期開発事業者JV」が中心となって進められていますが、その進行には大阪都市計画局という行政組織も関わっています。
大阪都市計画局のなかで、うめきた2期地区にかかわる仕事をしているみなさんにお話を聞きました。


大阪都市計画局の関わりとは?

―大阪都市計画局とはどのような組織なのでしょう?

北川和佳子:2021年11月、大阪の成長や発展を支える大都市のまちづくりについて、広域的な視点から府市一体で推進するため、大阪府及び大阪市が共同で設置した組織です。
主な業務として、グランドデザインなどのまちづくりの企画や、都市計画の決定を担い、拠点開発を推進するとともに、ワンストップ窓口を設置し、民間事業者の負担軽減・利便性向上を図ります。
東西二極の一極を担う、「副首都・大阪」としてさらに成長・発展していくため、府市それぞれのノウハウ・ポテンシャルを最大限に発揮し、大阪全体のまちづくりを進めています。

―みなさんはその大阪都市計画局のなかで、うめきた2期に携わっているのですね。

北川:そうです。当局は府市の共同設置ですから、府の職員と市の職員が一緒に仕事をしており、また業務内容が多様なので職種もさまざまです。私自身は建築職。うめきた2期では、地区の真ん中に大きな公園が、その南北に北街区と南街区それぞれの民間宅地ができますが、そこに建つ建物や道路などについて、JVのみなさんと行政との間に入って調整をはかるのが現在の主な仕事です。

―「間に入る」とは具体的には何をするのでしょう?

北川:たとえば、道路整備においては道路管理者である建設局との協議が必要です。道路管理者は、道路の安全性や耐久性、長期的な管理運営などについて確認します。うめきた2期の歩道では従来使われてきたアスファルトではなく、自然石を用いた舗装にグレードアップするという提案がなされていますが、さまざまな観点について慎重に検討することが必要になり、何度も協議を繰り返し整備の方向性を検討しています。その協議を支援する、といったイメージでしょうか。

今回お話を伺った4人は大阪都市計画局 拠点開発室 広報拠点開発課の所属。

―なるほど。花野さんはどのようなお仕事をしているのですか?

花野那央子:私も市の職員です。北川さんとともにJVのみなさんと行政の間に入って調整するのが主な仕事です。北川さんは建築職ですが、私は造園職。うめきた2期地区にできる都市公園は、完成後の管理運営を指定管理者制度を活用して行うことになります。10年、20年といわず、もっと長期間にわたって健全な管理ができるかどうかが目下の最重要課題。課題はたくさんありますが、一つひとつJVのみなさんと行政の各部門との間に入って調整をしています。

―品川さんはどのようなお仕事を?

品川明輝:私は大阪府の職員で土木職です。2021年春に大阪市に出向となり、11月の当局設置に伴い、府職員の立場で局員となりました。業務としては、大阪市に出向していた時とほぼ同内容で、予算関係と新駅関係を担当しています。うめきたに関する補助金の国等への要望や手続き、新駅設置事業に関する調整などを行っています。

―新駅はJRの事業ですよね?

品川:そうですね。東海道線支線を地下化し、新駅を設置しますが、地下化は行政(大阪市)が事業主体、新駅設置はJR西日本が事業主体ということになります。この地下化・新駅設置事業はうめきた2期地区のまちづくりの基盤となるもので、地下化することで、鉄道線による地域分断の解消と踏切除却による交通の円滑化が図られます。また、これまで大阪駅を通らなかった「はるか」「くろしお」が大阪駅に停車するようになりますので、関西空港からのアクセスや和歌山方面からのアクセスはとても良くなりますよ。


大阪駅周辺のもつポテンシャル

―岡さんのお仕事も聞かせてください。

岡良亮さん:私は茨木市の職員です。研修生として2年間、大阪府に派遣されており、最終年である今年度はうめきた2期に携わることになりました。私は新駅の真上にできる西口広場を担当しています。西口広場はJR西日本が整備しますが、うめきた2期地区開発プロジェクトの景観とのデザインの整合性などを見ていますね。

品川:岡さんと私は視察の対応もしています。駅前開発は日本各地で課題とされていることなので、うめきた2期はとても注目されています。視察したい側の要望を聞き、現場との調整をするのも私たちの業務です。

―視察に来られたみなさんの反応はどうですか?

品川:一様に「すごいですね!」という反応です。駅前開発というのは、行政がメインとなりインフラ整備を行いますが、民間との連携に苦慮することが多いのです。でも、うめきたは違う。行政側が最低限のインフラ整備のみを行うことで、地上の商業施設のみならず、インフラにいたるまで民間業者が手を挙げて取り組んでくれる。この理由は、ひとえに大阪駅周辺の「まち」としてのポテンシャルの高さによるものと思っています。

北川:2002年、都市再生特別措置法が制定されました。急速な情報化、国際化、少子高齢化などの社会経済情勢の変化に対応した「安全なまちづくり」「魅力的なまちづくり」を推進することを柱とする法律です。この法律における「都市再生特別地区」を大阪市では活用しており、民間事業者が行う公共貢献により都市全体の魅力を向上しています。
また、うめきた2期に先駆けて取り組まれた「グランフロント大阪」は、道路占用許可特例制度を活用し賑わいの創出を図るなど、エリアマネジメントの先進的事例と言えます。

大阪都市計画局は咲洲庁舎33階。窓からは天保山やUSJが見えていた。

うめきたに望むもの、そして見たいもの

―「グランフロント大阪」は、駅前にイノベーション施設を持ってくるという点ですごく斬新でしたね。

北川:うめきた2期が完成すると、うめきた2期とグランフロント大阪がデッキでつながり回遊できるようになるので、人の流れがずいぶん変わるように思います。公園の中央を東西に貫く道路には広幅員の歩道もできますよ。思わず歩いてみたくなる心地よい空間になるはずです。

―なるほど。梅田の景色がずいぶん変わりそうです。公園の存在はうめきたにとって大きいですね。

花野:そうですね。大規模ターミナル駅直結の都市公園としては「うめきた公園(仮称)」は非常に大規模なものとなります。民間事業者に入っていただくことで行政主体ではできないような高規格樹木を含む植栽も実現できることに。うめきた2期は「みどり」と「イノベーション」の融合拠点をまちづくりの目標としていますが、うめきた公園をフィールドとしてイノベーションの取組が行われることも想定されており、その意味でも、「みどり」と「イノベーション」が融和した先進的な取り組みが行われる場所としての機能も期待されます。

北川:公園は防災面でも貢献していますよね。

花野:防災面での調整が私にとっては今、いちばんホットな課題です。うめきた公園には災害用マンホールトイレや防災スピーカー、備蓄倉庫などが配置されます。中央の大きな池は水を抜いて避難場所として活用することもできますし、仮設水槽置場の役割もあります。それぞれの設備の設置に向けて公園工事に着手していますので、それをどう運用するかが今後の課題。民間事業者と行政の役割分担について調整を図っているところです。

―2023年3月には新駅開業、2024年夏には先行まちびらきの予定です。まだまだ調整すべき点がありそうですね。ところでみなさん、うめきたが完成したらまずどうされますか?

品川:我々は通常2~3年ごとに異動しますから、おそらくこのメンバーは完成時にはうめきたに直接は関わっていないでしょう。でも、一時期であっても関わった者として、じっくり訪れてみたいと思います。公園にできる施設が楽しみですし、新駅から電車にも乗ってみたいですね。

北川:私も家族と一緒に来てみたいと思っています。今の梅田は子どもと一緒にゆっくりできる場所が少ないので週末は郊外に行くことのほうが多いのですが、うめきた公園では様々なイベントやプログラムが行われるでしょうし、他ではできない体験もできそうなので楽しみにしています。

花野:私は今でも梅田には頻繁に訪れていますよ。やっぱり公園が楽しみですね。大阪では個人的には靱公園がお気に入りなのですが、将来的には靱公園のような緑あふれる、その景色を楽しみにしています。駅直結のうめきた公園ができることで「公園でのんびりする」という時間の過ごし方を普段公園に来る機会がない方にも知ってもらえるといいなとも思います。

岡:私はやはり建築を見るのが楽しみですね。西口広場の近くにある大屋根施設はSANAAさん(妹島和世+西沢立衛による建築家ユニット)が手がけますし、また、うめきた公園の北側には建築家の安藤忠雄氏が設計監修するネクストイノベーションミュージアムもできます。これらには今から注目しています。

取材・文/清塚あきこ 写真/坂下丈太郎 編集/竹内厚

記事をシェアする
NEW ARTICLES
/ 新着記事
RELATED ARTICLES
/ おすすめの関連記事
近くのまちの団地
住まい情報へ