『建築はほほえむ』 
松山巌=著/西田書店

『住経験インタビューのすすめ』 
柳澤究・水島あかね・池尻隆史=著/西山卯三記念すまい・まちづくり文庫

『ひとり空間の都市論』 
南後由和=著/ちくま新書

昨今のコロナ禍により、うち・まち(・だんちも?)は、これまで以上に注目を浴び、見直される契機となった。そんな今だからこそ読みたい3冊をご紹介したい。

1『建築はほほえむ』
建築入門書として知られる1は、詩のような語り口とこだわりの装丁で、枕元に置いて読み返したくなる1冊。タイルの目地や建物間の隙間があってこそ円滑にはたらくという、うちにもまちにも必要な視点を教えてくれる。

2『住経験インタビューのすすめ』
2は、とある人の自分史ならぬ、住居史を集めたもの。いえというのは、案外クローズドな世界だったりする。温泉旅館に暮らす家など、当事者には当たり前でも、読み手には想定できないような生活を覗き見できるのが楽しい。そして、他を知ることで自分の住居観を発見できる。建築学生が親にインタビューする構成で、その場面も想像するとエモい。

3『ひとり空間の都市論』
3は、社会学・都市・建築領域にまたがる南後氏の1冊。「みんな」のための空間が優先されがちな最近のまち論議に対し、「都市のひとりは正常な事」という、個を主とした都市論にハッとする。
自分が本当にゴキゲンに過ごせる場所・時間を知り、自分が何を大切に暮らしたいのか。自己と静かに向き合うとき、この本達が手がかりになってくれるでしょう。


岸本千佳

1985年京都生まれ。建築系大学を卒業後、不動産ベンチャーを経て、アッドスパイスを設立。遊休不動産の企画・仲介・管理を一括で受け、建物と街のプロデュースを業とする。


◎岸本千佳さんには「カリグラシコラム」という企画で7本のコラムを書いていただきました。

→「団地と京都って似てない?」 
https://karigurashi.net/ours/026/ (2017年公開記事)
→「お年寄り×若者で 「次世代下宿」」 
https://karigurashi.net/ours/022/ (2017年公開記事)
→「愛される商業ビル」 
https://karigurashi.net/ours/014/ (2015年公開記事)
→「駐輪場がバーになっちゃった」 
https://karigurashi.net/ours/010/ (2015年公開記事)
→「街の負の遺産、電話ボックス」 
https://karigurashi.net/ours/006/ (2015年公開記事)
→「下宿は京都の社会問題!?」 
https://karigurashi.net/ours/003/ (2015年公開記事)
→「軒下からはじまる小商いの未来」 
https://karigurashi.net/ours/001/ (2015年公開記事)

2022.02.14

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