団地ナウ

防災ワークショップ@アルビス旭ヶ丘

うちまちだんちは団地やまちの暮らしを様々な角度で紹介するメディア。日常の延長にある集いも見つめていきます。

1月末、大阪府豊中市のアルビス旭ヶ丘団地で「防災ワークショップ」が開催されました。団地集会所に約20名ほどの住民が参加。 クイズや防災グッズの手作り、隔て板の蹴破り体験などを通した参加型のワークで、防災について役立つ知識を学び、いざという時に備えて互いに意識を高め合いました。

防災は「自分で守る、お隣さん同士で助け合う」ことも大切
配布された資料には市のハザードマップも
明るく広々とした集会所は冬でも暖かい

講座は住居が近い方同士のテーブルに分かれ、前半はテキストを用いて進行。防災について日頃どこまで備えや意識を持つことが出来ているか各自の防災タイプの診断や、部屋の中のイラストを見ながら危険が潜む箇所をチェック。手軽で扱いやすい防災グッズもいろいろ紹介されました。「寝室に箪笥とか置いていませんか」と、講師の山下貴大さん(千里住まいセンター・ウェルフェア業務課)の親しみやすい語り掛けに、「これはどうやって使うの?」と参加者からも気軽に質問が相次ぎました。

また、被災時に身近な物を活用できる例として幾つかのアイデアも紹介。ガムテープとペンがあれば玄関ドアに張り出せる安否確認や、耐熱のペットボトルにカセットコンロで沸かしたお湯を注いだ即席の湯たんぽ。キッチンペーパーと輪ゴムを使ったマスクは全員が手作りに挑戦しました。

お部屋の危険が潜む箇所にシールをペタリ
講師の山下さん(写真左)と生活支援アドバイザー の和久利さん(写真右)
家具の固定や転倒防止のための色々なグッズを紹介
ペットボトルの湯たんぽは靴下でカバーすることが あったかさのポイント
「なかなかいいのが出来たみたい」と手作りのマスクを見せ合いっこ
iPadで団地周辺の航空写真を見ながら避難所を確認

後半は、集会所のウッドデッキで隔て板の蹴破り体験にチャレンジ。非常時に隣戸へ避難できるよう作られた間仕切り板を実際に割れるのか、はじめは消極的な参加者も周りの応援や拍手に奮起。高齢者や力に自信のない人も2、3回の衝撃で壁を破り、安全な蹴り方で割れることを体感しました。今回に合わせて体験用の隔て板を制作した不二友株式会社の中村俊哉さんは「現実の物に近い感じで体感いただけた。こういう体験を1回されると実際の時はもっと力を発揮できると思います」と、笑顔で話して下さいました。

青空の下、集会所のウッドデッキで蹴破り体験
今日のために体験用の隔て板を制作された不二友株式会社のスタッフさん
青空の下、集会所のウッドデッキで蹴破り体験
厚さ5.5mmの隔て板も1回の衝撃でこの通り!
フライパンや物干し竿でも割れるんです
和気あいあいとした雰囲気で住民同士の交流も深まりました

ワークショップの参加者からは「隔て板がどれくらいの硬さかやってみて分かった」「こういう経験が出来て大変よかった」と納得の声。講師の山下さんは「高齢者や子育て世代の多世代交流もできればと企画しました。今回は防災に紐づけて隔て板の蹴破り体験を実施しましたが、皆さんに喜んでいただけたので、今後は違うイベントでも是非体験していただく機会を増やしていきたいです」と語って下さいました。

取材・撮影・文/中尾あづさ

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