
<イベントレポート>
団地の広場を使ってみよう@茶山台二丁
アースカラーで染めようワークショップ
2023.02.14
冬の足音が聞こえてきた12月、泉北ニュータウン・茶山台二丁団地で染色ワークショップが開催されました。「団地の広場を使ってみよう」、をテーマに、株式会社MUJI HOUSE、無印良品イオンモール堺北花田店、無印良品泉北パンジョ店と協働で実施されました。
全国で展開中のMUJI×UR(ムジバイユーアール)団地リノベーションプロジェクト」も今ではお馴染みですが、2021年春からリノベーション領域を広場や商店街区へと広げていく試みが始まっています。このイベントはその一環として、地域の方に染めを楽しんでもらいつつ、広場使用の可能性を探る目的も担っています。

イベントでは「アースカラーで染めようワークショップ」として「ベンガラ染め」を行いました。「ベンガラ」とは「弁柄」「紅殻」とも表記される土(酸化鉄)由来の染料。インドのベンガル地方から伝来したことから命名されたそうです。古くから建材の着色に使われてきたベンガラ染めを生地への染色に発展させたのが、染色家・中島留彦さん。中島さんご指導のもと、団地の広場を使った染色体験が始まりました。参加者は私物のシャツやクロスを持ち寄り、次々と染め直していきました。







ベンガラは酸化鉄がベースになっていることから赤色が基本。中島さんは長年の研究の結果、燃焼温度や調合を工夫することで黄色や甜茶など幅広い色を出すことに成功しました。
さらに、今回のイベントでは、なんと特別に泉北茶山台二丁の団地内にある「旧土俵」の土を使った染料もご準備頂きました。まさに、「アースカラー」と呼ぶにふさわしい、様々な柔らかい色合いを楽しみました。







泉北パンジョ店からの出張店舗
会場で近隣の「無印良品泉北パンジョ店」からの出張店舗も。また「団地広場の使い方」アンケートも実施されました。子どもの遊び場やマルシェなど、広場の活用法として実現してほしいものはなに?というアンケート。みなさん希望を述べつつも、騒音のことや多世代が楽しめるほうがいいよね~など、みんなにとっての広場とは?という目線で考えて答えていたのが印象的でした。


インタビュー
講師の中島さんにもお話を聞きました。
中島:一般的な染めは石油由来のパッとした強い色が多い。それこそ、ベンガラで色をつけるのは、縄文時代からやっていることで、ナチュラルな地球由来の色を楽しんでもらえるのが、なにより魅力だと思います。
やっぱり色が変わると、モノが新たに再生される。年齢とともに着なくなった服を、もう一度着てみよう、そんなふうになることもありますよね。再生される喜びを土を使って作り出す、それがまたいいでしょ。
最近、住まいをDIYしたり、自分のことは自分でやる、そんな流れがあると思います。ベンガラ染めなら自宅でもできるので、自分の服は自分で染める、そんな時代が来たら面白いな、そう思いながらやってます。


ワークショップを企画した無印良品・徳永さんにもお話を聞きました。
徳永:「団地の広場を使ってみよう」として茶山台でイベントを行う、という話が来たとき、すぐに中島先生の顔が浮かびました。手ぶらでも楽しめるようにはしていましたが、染めるものは持ってきてもらうように呼びかけました。使い込んでいる服やクロスは、油はねがあったり、すれて薄くなっていたり。その分染めにムラが出るのですが、それこそが暮らしの記録だと思うと面白いなと。
例えば、団地の広場をリノベーションするとしても、その場所をうまく活用してくれる人の存在も重要です。こうしたイベントやワークショップを通して、地域の人たちとの繋がりを少しずつ作っていけたら、と思っています。

今回第一弾として実施された「団地の広場を使ってみよう」。この春に新しい展開も。2023年3月4日(土)に同じ広場を使って拡大版のイベントが予定されています。地域マルシェ、ワークショップに加えて無印良品の出張販売、野菜の青空市も登場。詳細や続報はうちまちだんちでもお知らせいたします。
取材・撮影・文/松川祥広(うちまちだんち編集部)