Junichi 作/千島団地3号棟/ 2020年3月完成

画家Junichiによる
千島団地ウォールアートが登場

2016年から千島団地を中心軸に始まったTAISHO UPプロジェクト。マーケットイベントの開催をはじめ「大正区もっとアガっていこ!」を生み出すべく活動を続けてきました。そのひとつが関西のアーティストによる壁画制作。団地内の各所にカラフルな作品が次々と誕生しています。今回は、この春新たに加わったJunichiさんによる新作をご紹介。制作中のJunichiさんミニインタビューもお届けします!

今回作品が描かれた場所は…

作品が描かれたのは団地集会所。集会所といえば、独立した棟だったり1階に置かれることが多いですが、千島団地はなんと12階に(ちなみに、1階にも集会所があります)。

いつ見ても壮観です。集会所は矢印のところ。
エレベーターを出ると案内板。こちらも定期的な塗装が行われていました。
あ、見えてきた!

作品名は『Big Heart』。集会所に入るための鉄扉がそのままキャンパスとなり、全面が余すことなく作品になっています。壁画ならぬ扉絵です。もともとこの扉は周囲と同じクリーム色。かなり自己主張が控えめのエントランスだったのが、一気に存在感のカタマリへと変身を遂げました。

銀色の塗りが全体に配されていることもあり、ドアの引き手や鍵穴も作品に溶け込んでいます。

Junichiさんに作品のことをお聞きしました

Junichiさんは西宮在住のアーティスト/画家。幼少期から絵を描きはじめ、国内外で多数の個展を開催し、ロゴマークのデザイン、ポスタービジュアルなども数多く手掛けています。インタビューは作品完成間近のタイミングで行いました。

Junichi

1989年9月生まれ、西宮市在住。画家。阪神淡路大震災復興キャンペーン・公式ロゴ制作(2000年)、大阪国際女子マラソン公式ポスター及びメインビジュアル、大会ロゴ制作(2004年~2017年)、ルイ・ヴィトンによる日本人スーパーアーティスト選出(2007年)、NHK「おはよう関西」オープニングアニメ制作(2016年~)など。2018年には大阪北区に高さ30mの壁画「苔玉」を完成させた。
www.junichiworks.com/


『Big Heart』制作のために考えていたこと

Junichi僕の作品には植物がたくさん登場します。建物や人を描いていても、何かしらの植物がそこに絡んでます。住んでいるところが山の上なので、緑に囲まれているというのもあるのですが、僕にとって植物はエネルギーの塊、象徴のようなもの。真剣に生きようとした結果として、木という形になったり、草という形になったりしているのだと思っていて、その有り様が美しい。だから、自然と植物を描いてしまう、みたいな部分があるんですよね。

団地ってたくさんの人の暮らしがギュッと集まっていて、「生命の鼓動」に満ちたエネルギーある場所だと感じています。人も植物も同じように「生きて」いるし、ピカピカではないけれど、メンテナンスされているから建物も「生きて」いる。そんな脈打つ生命から主題となる「Big Heart」が形作られていったように思います。扉を開けると集会所があって、その奥に屋上庭園がある。その植物とのつながりも意識しました。
あと、この作品は特に子どもたちに向けて描いています。いろんなアートに触れるための機会として、「こんな世界もあるよ」って知ってもらいたかった。だから背景には、目立つ鮮やかな色を使いたかったんです。

制作の流れから下準備のこと

Junichi実は鉄に直接描くのは初めての経験だったので、まずは色々調べるところからはじめました。表面の研磨やコーティング塗料を塗り重ねたりと、いつもより描き出すまでの準備に時間をかけていると思います。こうした下準備を行ったことで、狙い通りのイエローが出せました。「なんか、いい色だな」って見る人の目にパッと飛び込んでいってくれたら、「よし!」とガッツポーズですね。

コーティングの塗布を終えたときの様子。

フォトスポットとして楽しんでほしい

Junichiもうすぐ完成間近。作品は見た通り大きなハート型なんですが、フォトスポットとしても利用してもらいたいです。作品の前に立ってみると、ちょうど羽根が生えたようにも見えるはず。これまでにもいくつか壁画を手掛けてきましたが、壁画の面白さって、写真に撮ったり、SNSにアップしたり、いろんな遊び方ができるところ。ここも見るだけではなく、絵からいろいろ感じて、一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

「団地についてはまだまだ知らないことが多くて、だからこそ、いつも新鮮なイメージがある」とも話してくださいました。

ひとつひとつ言葉を選びながら話してくれたJunichiさん。最後に「壁画はこれからももっといろんな場所で描いていきたいです。この千島団地も、もっといろんな人の作品が増えていけば、さらに楽しくなりますよね」と笑顔でメッセージを残してくれました。


作品を観るときや、撮影時のお願い

扉そのものが作品なので急に開くこともあります。写真を撮る場合はくれぐれもご注意ください。
また共用部廊下にも面しておりますので騒音等にもご配慮ください。

文・写真/編集部(2020年2月~3月取材)

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