団地ナウ

⽣活⽀援アドバイザーイベント・健康講座
@西大和片岡台

うちまちだんちは団地やまちの暮らしを様々な角度で紹介するメディア。日常の延長にある集いも見つめていきます。

梅の花がほころび始めた2月上旬。奈良県北葛城郡上牧町の西大和片岡台団地でご高齢の居住者を対象にした「健康講座」が開かれました。日本赤十字社奈良県支部の後援で、参加者は病気やケガを未然に防ぎ、健康でいきいきとした生活を維持するためのポイントや対策について和やかに学び合いました。
この日のテーマは「生活不活発病」。日常生活が不活発になることで心身の機能や活力が低下し衰えていく状態をフレイル(虚弱化)といい、高齢者や持病のある人は悪循環に陥りやすいことから「日常から早めの予防や改善が必要なんです」と講師の涌田真希子さん(日本赤十字社奈良県支部)。地域や家の中で楽しみや役割を持つことや、歩行が不自由になってもすぐに車椅子に頼るのではなく、歩きやすい靴や杖を使う工夫、口の健康を保つ大切さなどを呼び掛けました。

講師の涌田真希子先生。冒頭では日本赤十字社の活動を紹介
西大和片岡台団地の集会所

また、高齢者に多い事故として、転倒や転落による骨折、食べ物や入れ歯による窒息や、カイロや湯たんぽによる低温火傷など日常での注意を喚起。身近な事例を交えながら予防や手当ての方法を紹介し、参加者のなかには頷きながら熱心にメモをとる姿も見られました。

「笑うことも免疫を高めたり、自律神経の働きをよくしてくれるんです」と涌田さん
負けるジャンケンで簡単な脳トレ。やってみると意外と難しい
身近な事例を交えたお話に熱心に耳を傾ける参加者たち
転倒による骨折時、ラップを代用して腕を固定する方法も実演

後半は前のスクリーンを見ながら、実際に体を動かす健康体操にトライ。桃太郎や浦島太郎など懐かしい童謡のリズムに合わせて、指や腕、肩や上半身をゆったり動かし、かかとの上げ下ろしやひざを使った下半身の運動で、全身を心地よくほぐしました。

童謡に合わせてテンポよく、段々と歌声も弾みます
一寸法師がお椀の船を漕ぐ動きで上半身をひねります

「この団地の参加者さんはとても活発で明るいですね。無理をせず、ご自身のできる範囲で続けていってくださいね」と涌田さん。参加した住民の方からは「座り込んでしまうと物忘れも多くなる。色々と自分でするよう日頃から心掛けたいです」というお声や、「コロナでいろんなことが中止になっているけど今日はいい機会になりました」と、感想を話して下さいました。また、西日本支社 京奈エリア経営部 ウェルフェア推進課の小川宜志さんは「普段からできる救急時の対処法など楽しくお話しいただき、皆さん最後まで興味を持って聞いてくださいました」と、講座を締め括りました。

UR都市機構は昨年12月、地域の健康・安全な生活及び地域コミュニティーの活性化に向けて、日本赤十字社と包括協定を締結。今後はより多くの地域で日本赤十字社の取り組む講習会を展開する方針で、本社 ウェルフェア総合戦略部 戦略構築課の田辺陽子さんは「日本赤十字社のコンテンツをURの団地で展開することで、講座を聞く側から社会活動をする側へ。地域や団地に住む人のモデルとなるような、いきいきと活動するシニアが増えていってほしいです」と抱負を話して下さいました。

写真1列目:
田辺さん、葛西さん(いずれも本社 ウェルフェア総合戦略部 戦略構築課)
写真2列目:
尾崎さん(本社 ウェルフェア総合戦略部 企画課)
涌田さん(日本赤十字社)
荒尾課長(本社ウェルフェア総合戦略部 戦略構築課)
小川さん(西日本支社 京奈エリア経営部 ウェルフェア推進課)
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