団地ナウ

「大人の塗り絵」と団地、
なかなか相性が良さそうです

「大人の塗り絵」をご存知でしょうか。童話やアニメのキャラクターをグリグリと塗っていく子どもの塗り絵に対して、大人の塗り絵は、色鉛筆やクーピーを駆使しながら、名画の再現にチャレンジしたり、あえて自分なりのアレンジを加えてみたり、手軽に絵画と色を楽しむことができる新しい趣味のひとつです。

講師の先生の作例から。絵が浮かび上がってくるような立体感!

そんな大人の塗り絵、団地でもサークル活動が行われているというので、どんな様子かお邪魔させていただくことにしました。向かったのは神戸市須磨区・落合団地です。

落合団地。神戸市営地下鉄西神・山手線「名谷」駅から徒歩15分~25分ほど。
団地集会所。半地下構造になっています。

活動が行われているのは、自然光がたっぷりと入る団地集会所にて。先生からの作品講評や個別指導が行われながら、ゆっくりと穏やかな時間が流れます。途中経過を見せ合ったり、隣の人と塗り方を相談したり、想像以上ににぎやか。

講師を務める登内敬子先生(サクラクレパス大人の塗り絵認定講師)。柔らかな語り口と独特のワードセンスで、気づけばお話に引き込まれていました。
参加者同士の交流も盛ん。
1200戸を超す落合団地。サークルで初めて知り合いになった住民さんも多いのだそう。

講師の登内先生に話を聞くと「色をキレイに塗るには明るい場所で作業するのが一番なので、日光がしっかり入る団地は、塗り絵を楽しむには最適。大人の塗り絵は何度かのブームを経て、今は大人の趣味として定着してきたので、色んな発表の場もありますよ。」とのこと。

参加者の方からは「家でも明るいうちに作業しています。こうやって集会所で一緒に楽しめるところも楽しいですね。」という声や「団地は緑も豊かなので、つい葉っぱの色が気になったりします」という方も。団地暮らしと大人の塗り絵、相性の良さを垣間見ることができました。

サークル誕生のきっかけ落合団地の生活支援アドバイザー畠田さんに聞きました。「自宅で過ごすことが多いコロナ期間中、何かつながりを生むきっかけになれば、と塗り絵用の下絵を配布。近隣の7団地合同で行い、展覧会も開催しました。その時に感じた手応えがこの塗り絵サークル設立にもつながっています。コロナの状況も変わってきたので、サークルの輪も含め、新たな人の広がりを生み出していきたいと思っています」と語ってくださいました。

取材・撮影・文/松川祥広(うちまちだんち編集部)

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