ニュー不動産展@digmeoutArt&dinerへ

#

新しい切り口で不動産をメディア化したりサービスを提供する動きを「ニュー不動産」と呼び、まとめ、展開している動きが出ている。

そんなニュー不動産の展覧会が心斎橋のカフェダイナー・ディグミーアウトで開催中と聞き、駆けつけてきた。

展覧会を取りまとめているのは森岡友樹さん。瀬戸内在住にして、「間取り図ナイト」というオモシロ間取りをみんなで愛でて楽しむイベントを現在全国各地で開催中の”マドリスト”。

会場はピンクの台紙に、本当にある不動産情報から、妄想かしらと思うほどの森岡さんのセレクト間取りが壁2面にびっしり。目がチカチカするレベルで暑苦しいいい展示。よくよく見ているとUR都市機構の「BBQ×団地」「DIY×団地」なども!

この日のトークショー『関西流ニュー不動産!えらんで、貸して、売って、いじって』にはOURS.の<カリグラシコラム。>でもおなじみの岸本千佳さん(空家プランニング・DIYP・京都移住計画)、無印良品でのOURS.展覧会で会場構成を担当くださった西山広志さん(NO ARCHITECTS)、<散歩と観察>のイベント時に飛び入り解説くださった吉永健一さん(建築家/吉永建築デザインスタジオ代表/団地専門の不動産屋『団地不動産』主宰)が登壇。そしてもう一方は西村周治さん(神戸R不動産)。

上の写真の五右衛門風呂のようなものに入っておられるのが西村さん。大学卒業後暮らしていたという神戸の長屋。家賃1万5千円を3人でシェア(1人5000円!)していたうえに「実験的に風呂を作ったが湯が湧くまでに半日かかった」というから、会場全体で吹き出した。

吉永さんによる団地のお話は再発見ばかり。「団地が高齢化しているというのは、高齢者にも快適に暮らせている証拠」「見方を変えればいいことたくさん」という言葉には、ハッとさせられる。もっとお聞きしたいと伝えてきた。OURS.のコンテンツに登場して頂く日も近いかも!

西山さんは街の不動産屋さんと恊働して大阪市此花区というエリアの空き家をアップデート。「2年かけてようやくいい物件を出してきてくれた」と、ニューな不動産屋(西山さんは不動産屋さんではないが)の地道な手法が見えて来た。それは「街を耕すような作業」という言葉も印象的。

岸本さんは関東から関西へと拠点を2年前に移動。それまでの2009-2013年は東京でシェアハウスが急増した時期にあたり、まさにその渦中に作り手としていた人。そうした経験から発せられる、関東と関西での不動産の需要内容の微妙な違いなどの解説がリアルだった。

最後に「すべての空き家を救う必要はないと思っている」という全員の見解の一致もうなずけた。「躯体がくさっているもの、どうにもならないくらいの建築物は壊してしまい、そこを農地にするとか。その場合の固定資産税は下げるなど」といったアイデアも。空き家の未来を次々にイメージできる2時間だった。

展覧会は2015年11月29日(日)まで。吉永さん、森岡さん登壇のトークショーは29日にも再び。タイトル『妄想ドライブ!ニューニュー不動産ナイト』。必見!

会場ではOURS.のカードも配布してくださった。ディグミーアウトさん、受け取ってくださったみなさん、ありがとうございました。

ニュー不動産展in Osaka
http://new-fudosan.net/2015osaka/index.html
2015.11.18-11.29@digmeout ART&DINER
※終了しました

写真と文:平野愛

JOURNAL

NEW ARTICLES
/ 新着記事
RELATED ARTICLES
/ おすすめの関連記事
近くのまちの団地
住まい情報へ