アディム(画家)
#2 新しい空間に馴染む方法
バンドを脱退して画家へと転身したアディムさん。その場に住んでしまうように制作するという、アディムさんのスタイルに迫ります。
#1 はこちら
部屋を引っ越したことで、作風も変わりました?
そうですね。以前は暗いトーン、センシティブだったというか。日差しが入らなかった部屋の影響は大きいですね。裸電球の下で描いてましたから。
森之宮団地ではどんな風に制作したんでしょう?
団地でも泊まりこんでずっと描いてました。自分の部屋みたいな感じのところで描くのがやりやすいから。描いて2時間寝て、起きたらまた描いて、そんな感じ。
森之宮団地での制作風景
過ごしやすかった?
めっちゃ快適でした。その4日間、オレはもう団地の一部になってましたから(笑)。
新しい空間に馴染む方法ってありますか?
うーん、なんだろ。好きな女の子の写真を壁に貼ったり。
おー!
写メをコンビニでプリントして貼って。制作でヤバいなーってなってきたら、その写真を見て、ウー!って。
がんばれる、と?
がんばれます(笑)。
それは毎回やってるんですか?
いや、いま好きになっちゃったタイミングなので。
貼っちゃった(笑)?
ケータイをいちいち見るのはめんどくさいので。
写真を1枚貼ることで空間を自分に寄せていく、と。この展覧会にその女の子は来られました?
はい。描いてるところを想像してかっこいいと思った、って言ってくれました(笑)。
この展覧会の会場はかなりの音量で音楽がかかってますよね。いつも好きな音楽をかけて?
そうですね。制作もいつも音楽聴きながら描いてますね。音楽は重要です。森之宮団地で描くときに聴いてたのは…カーペンターズ。カーペンターズのこと、嫌いなひといないですよね、救いしかない音楽というか。超・幸せ。
今後の制作の目標とかありますか?
公共物に描きたいですね。いろんなひとに見てもらいたい。看板とか。みんなが知らない間にある、みたいな。団地まるごと塗りつぶすとか。ヘリコプターからペンキをかけて。それはぜったい楽しいと思う。
最後に、住む場所へのこだわりは?
うーん、やっぱり東京が好き。東京で勝ちたいな、と思いますね。でも大阪に来るといつもいいなと思います。めっちゃ感情的というか、心が強いなと。東京のひとは冷静だし。
ちなみにサンパウロは?
みんな踊ってるだけ(笑)、だと思います。
文:中村悠介 写真:平野愛 編集:竹内厚
(2015年12月5日掲載)
INFORMATION
音楽スタジオ「MUSIC COMMON CAVE MORINOMIYA3-216」
●UR-DIY部が森之宮団地3号棟216号室に設置。防音室は4畳、楽器練習やカラオケなどが楽しめる。この防音室のデコレーションをアディムが担当。なお利用は森之宮団地、森之宮第2団地に住まう方に限定され、1時間240円。
UR-DIY部ブログ
http://blog.ur-net.go.jp/kansai-diy/2015/smun26000000147k.html