7.ボーイスカウトと料理
ビーバースカウトからシニアスカウトまで、服部さんのボーイスカウト歴は長く、幼稚園から大学まで参加していたそうだ。
服部さん曰く「父親に放り込まれた」ようだが、そこでの経験は、いまも大いに役立っている。
滋樹ビーバーやカブスカウトのときはないけど、ボーイスカウトになると、一人野営や夜間ハイクをする。
ひとりで重いテントとかを背負って、山に入って、山の上でテントを張って、一晩したらおりてくる。
そこではコンロもなければ、流しももちろんない。
薪をくべて飯ごうでお米を炊いたりするのが当たり前なのだそうだ。
滋樹ボーイスカウトには「野外炊事章」というのがあって、ニワトリを3泊4日のキャンプに連れて行って、世話をする。
そうすると3日目にはかわいい存在になってくるんだけれど、最終日にその首を落としてディナーとしていただく。
残酷なんやけど、ヨーロッパやアフリカだと、人と一緒に暮らしている動物との間に「いただきます」という付き合いがある。
そういうことを学ばせたかったのかな。
服部さんの中でこういった経験が、エッグベーカーの体験と共に躊躇なく台所に立って、料理をすることにつながっている。
そして、シンプルなもので料理をするということも、ここから学んだとも。
だから、服部さんの家にある調理器具はシンプル。
多機能なブレンダーもなければ、最新キッチングッズもない。
炊飯器もひとり暮らしのころにもらったものだけ。
コンロの足下に置かれた炊飯器は、必要のなさがにじみ出ていた。
→8.顔の見える器へつづく