「KYOTOGRAPHIE」で
今だけの建築空間の楽しみを

今年で6回目を迎える「KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー) 京都国際写真祭2018」が行われています。通常非公開の町家や寺院、指定文化財などを含む、京都中の15施設にて国内外で活躍する写真家の作品を展示。写真を楽しむついでに、京都の思いがけない場所を巡ることができるのが「KYOTOGRAPHIE」の魅力です。
これって見方を変えたら、「京都にある場所を借りて、展覧会をしている」ということでは! ということで、「KYOTOGRAPHIE」のオススメの会場を一部ご紹介したいと思います。

 

「KYOTOGRAPHIE」のポスターイメージ。今年のテーマは「UP」。

 

■三三九(さざんがきゅう)

KYOTOGRAPHIEでは初めて利用される三三九会場。ここはなんと、京都市中央市場の場外にあるんです!中央市場といえば日常的に魚や野菜の卸やせりが行われている場所。KYOTOGRAPHIEのインフォメーションカウンターやバーベキューエリア、ラウンジも置かれて、様々なトークイベントやライブなどのイベントも開催されています。

南アフリカの現代写真家、ギデオン・メンデルの作品が壁一面に大きく展開。国境や文化の壁を越えて発生する洪水災害の状況をそのまま伝えている「Drowning World」シリーズです。

市場で使用する大量の氷を貯蔵するための貯氷庫も会場。現在は使われておらず、今回の展覧会のために初めて公開されています。いわゆる「廃墟」が、この機会に改めて活用されるのはいいことですよね。

鉄のてすりもいい感じにさびて、階段を登るのも少しおそるおそる…。

当時の雰囲気がそのまま残った空間とモノクロ写真がマッチ。

氷をつくっていた機械室も、アート作品によっていきいきと蘇る。アルベルト・ガリシア・アリックス《IRREDUCTIBLES》

京都市中央市場の南壁面には、人間の写真がずらり。中央市場に写真が並ぶなんて普段では考えられません。市場の人が利用するターレットトラックが行き交う中、立ち止まってアート作品を鑑賞する人がいる。そんな今しかない光景が生まれています。

K-NARF《“THE HATARAKIMONO PROJECT”,AN EXTRA-ORDINARY TAPE-O-GRAPHIC ARCHIVE》

フランス出身東京在住の作家さんが、日本にしかない言葉でもある「働き者」をテーマに、市場とその周辺で働く人物を撮り下ろした作品。原寸大で80枚展示されている。

三三九(旧氷工場、旧貯氷庫)
●京都市下京区朱雀宝蔵町74(JR丹波口駅から徒歩8分)
12:00(土日祝は11:00)~19:00  水曜休
600円 学生500円(K-NARFの壁面展示は無料)

■両足院

京都市東山区にある臨済宗建仁寺派大本山の寺院。四季折々の緑も楽しめる。

次は京都らしい場所をピックアップ。特別拝観の時のみ公開される両足院のお庭は、一見の価値あり! 和室空間でアート作品を楽しみながら、お庭を眺められるのはこの機会だけです。

中川幸夫《俎上の華》。独創的かつ前衛的な目線で「花」を切り取り、写真に残している。

お茶室にも作品がある。和室からお庭に出て回遊するだけでも楽しい。

両足院(建仁寺内)
●京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591
(京阪祇園四条駅から徒歩7分、阪急河原町駅から徒歩10分)
10:00~17:00  5/2、5/9休
1,000円 学生800円

■京都新聞ビル 印刷工場跡

印刷工場だった頃のインクの匂いもまだ残る地下の空間。京都新聞ビルにこんな場所が残っていたなんて。静寂な雰囲気の中、セレブや資本家たちの大型パネル写真が煌煌と照らされています。この場所は入場無料で、しかも丸太町駅から直結なのでぜひ仕事帰りに立寄ってみてはいかがでしょう。

アメリカの写真家・映像作家のローレン・グリーンフィールド《GENERATION WEALTH》。巨額の富や名声を得たいという果てなき欲望にとりつかれた人々を追いつづけている。

京都新聞ビル 印刷工場跡(B1)
●京都市中京区烏丸通夷川上ル少将井町239(地下鉄丸太町駅7番出口すぐ)
10:00~17:00 水曜、5/6休(5/2はオープン)
入場無料

■京都文化博物館別館

写真家、グラフィックデザイナー、アートディレクター、映像監督などイメージメーカーとして有名なジャン=ポール・グードの作品で埋め尽くされたインスタレーション。

最後に、街中で楽しめる一押し会場を。国の重要文化財に指定されている、赤い煉瓦づくりの壁が目印の京都文化博物館別館。このホールでは、イベントが行われていることも多いので、通常でも入れることはできますが、今回は少し違います。
歌いながら歩き回る人形のような女性、会場の中心にある回転する造形物、そして空間に流れる様々なリズムと音楽。雑誌やメディアで活躍中のジャン=ポール・グードによるインスタレーションで、華やかさが増しています。歴史のある空間だからこそ表現できる重厚感を体験してみてください。

ジャン=ポール・グード 《So Far So Goude》

2階への階段にも作品が掲示されている。2階では映画「So Far So Goude」を上映、上映時間は1時間5分。

京都文化博物館 別館
●京都市中京区三条高倉(地下鉄烏丸御池から徒歩3分)
10:00~19:00 月曜休(4/30はオープン)
1,200円 学生1,000円

その他にも興味深い展示や会場が目白押しなので、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。いくつかの会場をピックアップして巡るもよし、全会場に入場できるパスポートを購入すれば、日にちをまたいでも使えます。

写真・文:小倉千明

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2018
日程:2018年4月14日(土)~5月13日(日)
料金:各会場ごとに設定された入場料、もしくはパスポート提示
<パスポート>4,000円 学生3,000円 ※会期中有効
<1DAYパスポート>3,000円 学生2,000円 ※1日限定
https://www.kyotographie.jp/

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