京都と大阪の境、山崎で週2日開くコーヒー焙煎所「大山崎 COFFEE ROASTERS」を妻と営む。コーヒー豆を焼いてお届けするのがお仕事。哲学を独学、思索の日々。趣味はTVと読書。

11月28日

曇りのち雨 / 少し寒め
9時半起床。今日は一日コーヒー豆を焙煎する日。秋も深まってきて、コーヒー豆の注文も増えてきたので、焙煎量も多め。お昼前から夕方までもくもくとコーヒー豆を焼き続ける。性格的に同じ作業を繰り返すのは得意じゃないけど、週に一度、焙煎だけに集中できる水曜日は嫌いじゃない。体の感覚を解放して、ただただコーヒー豆を焼いていると、頭も心も集中して、疲れるけれど、ストレス解消にもなってる、ような気がする。
ところで、昨日の読書を引きずって考えてみると、コーヒー焙煎という行為はアーレント的には「労働」(生命維持のための行為)と言えそうだけど(食品という消費するものを作ってるから)、一方でこの町で僕らはお店という人工物を創作していて、コーヒー焙煎もその創作の一部だと捉えたら、「仕事」(人工物で世界を作る行為)といえるのかな。うーん……今度ゆっくり考えることにしよう。
夜はまゆみさんとドラマ「獣になれない私たち」を観る。心がしゅわしゅわする。いいドラマだなぁ。25時就寝。

11月29日

晴れ / 暖かめ
7時50分起床。今日はお店の営業日。朝ごはんをゆっくり食べて、支度して、お店を開ける。今日も色んなお客さんが来てくれて、焙煎しながらも合間に色々と話をする。
「仕事でもプライベートでも24時間ずっと夫婦で一緒にいて、ケンカとかしないんですか?」と聞かれた。実はよく聞かれる質問だったりする。世の夫婦はそんなにケンカしてるのかな? ケンカの原因ってほとんどがコミュニケーション不足か、相手の状況(機嫌が悪いとか疲れてるとか)に気がつかないっていうのだと思うから、その点、ずっと一緒にいたらケンカになりづらいっていうのが、僕の持論。僕らはよくしゃべるし、議論もよくする。コミュニケーションは大事だもん。
お店を閉めたあと、会社を辞めてお店を始めたいというHさんからの相談で、話を聞く。僕らの経験が少しでも役に立つなら嬉しい。悩みすぎないで、前向きに進んで欲しいな。応援してます! 25時就寝。

11月30日

曇り(もや)/ 暖かめ
8時30分起床。今日はコーヒー豆の配達の日。うちのコーヒー豆を使ってくれているカフェなどに直接豆をお届けして回る。それぞれのお店の雰囲気を感じるのは勉強になるし、何より店主やそのお店のお客さんとおしゃべりをするのは楽しい。京都の四季を感じながらドライブもできるしね。
お昼に台湾まぜそばを食べながらまゆみさんと話をしているときに、昨日のHさんの言葉をふと思い出して、頭の中を巡る。「わたしは子どもに『新しいことにチャレンジしなさい』と言うけど、自分は何にもチャレンジなんかしていない。これじゃあ偉そうなこと言ってるだけだ。だから、自分もチャレンジしてみようと思う」。
素敵だなって思う。人って大人になると「教育」という名の元に、自分のことは棚に上げて子どもや後輩たちに偉そうなことを言いがちだ。人に言うならまず自分がやってみる。人を育てるって、自分を育てることなんだ。25時就寝。

12月1日

晴れ / 暖かめ
7時30分起床。土曜日はお店の営業日だけど、今日は臨時休業して、町内にある「聴竹居」の公開イベントの関係でコーヒーを淹れた。「聴竹居」は建築家の自邸として建てられた築90年の住宅建築で、最近重要文化財の指定を受けたことでさらに注目が集まる。いまでは多くの地元住民が日々の管理やガイドを行っている。
イベントの最中、町内で生まれ育ったというお客さんと話をした。その方の幼なじみは、町内に立派な家があるのだけれど、もう長いこと誰も住んでなくてかなり荒れ果ててしまっているのだそうだ。そのお客さんも、子どもの頃よく遊びに行った建物が朽ちていくことに、心を痛めている様子。家庭の事情や地域の事情、様々な「仕方のない事情」の結果だった。
注目され、愛され、残される建物のそばに、誰からも見放され、朽ちていく建物がある。僕の心はその事実の方に捕まった。「垣根」はここにもあった。24時就寝。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

カリグラシコラム

そのことを仕事にしている人もいれば、普段の暮らしの中でモヤモヤとした思いが浮かんでいる人もいる。借り暮らしにまつわる意見や考えを、さまざまな人たちが自由なスタイルで綴ります。

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