12月6日

モクレンデパート初日。きょうのスープは鮭とえのき。ごま油をたらす。たくさんのひとが来てくれて、たくさんのあったかい時間があるのにずっと不安で仕方なかった。そして帰り道に、恋人と帰っていて泣いてしまう。こんなに楽しい時間があるのに目の前のその時間を見れない自分の乏しさが本当に嫌だ。
イベントが終わったらまた暇になる、不安だ、とわあわあ泣いた。
恋人は食べたいものなんでも食べに行こうと言ってくれて第1旭に30分も並んでくれた。今年の春、ここに並びながら大喧嘩したことを思い出す（恋人は帰って、わたしは並んでラーメンをしっかり食べて帰った。そういう女です）。ラーメンは美味しくて最高だった。接客は最悪だけど、そもそも他のラーメン屋が愛想良すぎなんだと思ったり。家に帰ったら恋人が湯たんぽを用意してくれた。

12月7日

きょうは高山燦（たかやまあき）くんのライブ。お昼からのライブって贅沢で気持ちいい。スープは鱈と白菜。カレーがしょっぱめなのでスープはとにかく甘めに。彼の歌を聴くのは初めてだったけどとても良かった。歌詞はもちろん、声がほんとうに綺麗。聴いているひとたちもほうっとしていた。ライブがあると知らずに来てくれたひとたちが、CDほしい、と言っていて嬉しい。投げ銭がたくさん集まって、良いライブだし良い会場だなあと思った。
金曜日の夜ということもあって夜はとにかくすごいひとだった。YOTTUさんのかける音楽が毎日素晴らしい。働いているときの音楽ってこんなに大きい役割なんだとYOTTUさんがモクレンで曲をかけてくれるようになってから知る。音楽に励まされるのである。
トイレに行ったら好きな曲がかかって早く戻らなきゃ！ となったのが1人で面白かった。クラブかよここは。良い夜だった。不安はまだあるけど、なくならないけど、良い夜だった。
大学生のときに付き合ってた彼がふらりと来てくれた。やりたかったことをきちんと仕事にしていて、すごいねえよかったねえと話した。頑張っていることがきちんと認められている、ということはすごいことだ。投げ銭もそうだけど、頑張ったことにそれ相当のお金をきちんともらえる、ということはすごい。ほんとうに、すごい。お金は怖いけど、頑張ったことという目に見えないものが形を持つという魔法が使える。

12月8日

デパートの催事でお呼びしているタロット占いの夕佳さんに、二足のわらじをすることになる、と言われる。それはずっとしたかったこと、らしい。なんだろう、とずっと考える。わからない。プライベートは充実。変わらない愛をくれる恋人なんですねと言われる。そうだ、恋人はすごいひとだ。2年も付き合っているのに、今でも、わたしが旅から帰ってくるときは絶対に駅まで迎えに来てくれる。そんなことを2年も出来るのがすごい。わたしははじめだけで終わってしまう。この恋人をもし失うことがあったらと思うと怖くなるけど、でもきっとたくさん泣いてしばらくしたら元気になって誰かをきちんと好きになれるのも知っている。
スープはなに作ったか忘れた。村屋のみなみさん、しゃこさんが来てくれてとっても嬉しい。左京区から壬生までは遠いから。そう、こうやってこんなに想ってもらっているんだと気づいて忘れて、また気づかせてくれる。神様はこんなわたしにいつも優しくてそうやっていつも、心を救ってくれる。

12月9日（おまけの1日）

いよいよモクレンデパート最終日。さいごのスープはミルクスープ。玉ねぎとマッシュルーム大量。マッシュルームはお味噌汁にも合う、でしゃばらない万能選手。
今日はパン屋のアネさんが来てくれていて、みんなでパンを買って食べる。塩パンが小さくて可愛くって美味しかった。夜はdj.pkgさんによる手品ショーもあり、デパート感が増し増し。彼の紐の手品は本当にすごい。おちゃめな手品で良いなあと思うけど、これを毎日見せられた親友は大変だったと思う（pkgさんはわたしの親友の旦那さん）。
ほんとうにたくさんのひとがこの4日間来てくれた。お客さんはもちろん、出店でずっと居る人達もみんな楽しそうだった。こんな場所を作れたことが嬉しい。みんなが助けてくれて出来たことだ。助けてくれる自分であることが、ほんとうに良かった。終わらないで終わらないで、と思いながらネオンのスイッチを切る。長い長い、1週間だった。