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  • 週替わり みんなの日記 神野 龍一さん(ライター/雑誌『関西ソーカル』主宰)~後編~
 

1985年、神戸生まれ。京都の大学を経て現在は尼崎在住の関西人。オノマトペ大臣と『関西ソーカル』という関西文化についての勝手な研究雑誌を作ったりしています。現在4冊目を鋭意製作中。特集は「上方落語」の予定です。
http://kansaisocal.org/

1月31日

職場でいらっしゃった外国人観光客のお客様に「何名様ですか?」と尋ねたところ、片手で親指と小指を突き出したポーズ、かんたんにいうと「まことちゃん」のグワシ! から人差し指がない感じの手をこちらに向けてきた。詳しい人に聞くと、これは中国のジェスチャーで「6」を表す仕草らしい。中国では片手で6から10 までを表すジェスチャーというのが完備されているということを知る。わりと、手軽なジェスチャーが世界共通ではないことを知るというのはよくある異文化体験だが、このジェスチャーは5年以内には日本でも通用しているのではなかろうか、と思う。もし数年後これが定着しだしたらそんなことを言ってた人がいたなあと思い出してください。

2月1日

仕事終わり後、なんばにある「TORII HALL」のトリイ寄席へ。今年初の催しは吉朝一門会ということで、ホールの客は大阪押し寿司のような満員。仕事終わりの休憩室、『ちちんぷいぷい』でテレビ越しに見ていた吉弥さんとここで対面。吉朝一門に共通した、楷書を思わせるキリッとした芸を堪能する。その中でも私の一推し落語家は5番弟子の桂吉坊なのだが、やったのがなんと「本能寺」! 芝居の仕草や技のデパートとも言えるこの噺を堪能する。自分は氏の鮮やかな仕草に憧れて、遂に去年から山村流の日本舞踊まで習い始めてしまったのだ。そうすると習っている踊りから他の伝統芸能まで興味がわき、まだまだ意欲は尽きない。難儀なものよなあ。

2月2日

節分の前ということで、おそらく今が一番寒い時期だろう。この日を境に寒い日もなんとなく終わっていくのだろう。今週のんきに落語に行っていたわりに、悩んでいることが多かった。前向きでポジティブであるということは素晴らしいことだが、もう若くはない身の上を考えると、そんながむしゃらに前だけをみて突き進むというのは疲れる。たまにはアクセル踏むだけではなくてブレーキを踏んで、地図を見直したりガソリンの量を確認しなければいけない。というようなことを今週は考えていた。そんな状況に日記の依頼があったことで、日々の暮らしを見つめ直して自分を支えることができたり、やっぱり書くという作業は向いてるとはいわないが「しっくり」来る感じを実感したり、いい仕事初めをさせていただいたということで非常に感謝しています。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

とは

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