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  • 週替わり みんなの日記 小池 志保子さん(大阪市立大学准教授)~後編~
 

神戸在住。2002年ウズラボ共同設立。現在、大阪市立大学准教授。建築をつくったり、直したり、見たり、教えたり。2018年は、『リノベーションの教科書』(学芸出版社・共著)という本を出版。

3月7日

今日も雨が少し。朝ごはんはれんこんの竜田揚げときゅうりの浅漬けとほうれん草のおひたしと卵焼き。ほくほくしたれんこんの竜田揚げは、娘が給食で食べておいしかったので、家でも食べたいと夫にリクエストしたもの。給食のレシピはクックパッドに載っているらしい。すごく便利。
午後から、学生による活動の発表会を聴きに行く。和歌山県の紀美野町という眺望最高、なんでもおいしいまちにときどき出かけて古民家を学生がDIYしている。その2年間の成果を学生たちが発表し、さらに賞をもらう。自分たちがやっていることを、他の人に知ってもらい、そして、認めてもらうのはやはり活動の励みになる。

3月8日

ローストビーフとカリフラワーの朝ごはんを食べて大阪へ。夜は中之島のフェスティバルタワーの40階にのぼる。角がアールの形状になっているためにL字型にガラス面が連続する大きな窓を吹き抜けから見下ろして夜景を臨む。地上200メートルで水平に連続した眺望を得ることができる、というのが設計の意図らしい。美しい光が散りばめられた夜のまちをはるか眼下にみるという現実味のない光景に目眩がした。

3月9日

鶏の照り焼きとベビーリーフのサラダ、春菊のおひたし、かぼちゃの煮物の朝ごはんを食べて大阪に向かう。この1年ほど取り組んでいた戦前に建てられた大阪長屋の改修が完成し、その見学会のため。公園と川に面した存在感のある建物で、その伝統的な部分を尊重しながら、1階で便利に暮らせるようにキッチンやお風呂を小屋のような小さな部屋にまとめて用意した。歴史の重みを感じながらも、軽やかな気持ちで暮らしがはじめられるような新しい部分のある家を想像してつくった。床の間や違い棚のある暮らしでは、きっと季節の変化が豊かに感じられる。地下の窓や小さな吹き抜けによって、より川が身近になったと思う。今日の床の間にはコデマリがたわわに咲いている。この家から一歩出ると、川沿いの公園になるので、見学会の合間に交代で縄跳びに興じた。春先の気持ちのよい日に川の近くに暮らす気分を味わう。建物だけでなく、建物があるまちを含めて楽しむことのできる家をこれからもつくっていきたいと思いを深める。

2018年4月1日にスタートしたリレー日記です。1週間単位でさまざまな方に暮らしの日記を執筆いただいています。

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