サミットは互いにゆずらず、団鉄プレゼンテーション合戦の様相に。

鉄道と団地が一体となって開発されてきたという歴史もありますね。

三瀬:はい。業界として近いところもあるから、就職する際にどちらも受けたという人も多いかもしれません。

太田:そうか…ひとつお聞きしたいんですけど、「A列車でいこう」「シムシティ」といったゲームはされますか?

どちらも都市開発をやっていくようなゲームですね。

谷田:「シムシティ」は小さな頃からやってましたよ。その延長でURに入ったくらいで(笑)。

太田:そうですよね。ゲームのなかでも街をつくるためには鉄道を引いて、駅のまわりに団地のような集合住宅をつくっていくんですよ。そこから街が始まっていくので。団鉄を意識しながら団地巡りをやってみて、これって街の成り立ちの部分を見ていくことだなって感じました。

街の根本にして今、新陳代謝で変化しつつある場所でもあるから、そのドラマもあって。

太田:それとはまた別の話になりますけど、団地好きの人はみんな鉄道好きなんですよね。これも何なのか。

谷田:すべからくですね(笑)。

決して、太田さんやここにいるみなさんだけが団地+鉄道好きじゃないと。

小林:仮説ですけど、統一的なものの中に多様性があるというところが似てるんじゃないでしょうか。無機質で同じように見えるかもしれないけど、その実、いろいろあって。

太田:きっとそうだと思います。

団鉄のファーストステップとして、オススメがあれば最後にぜひ。

三瀬:白鷺団地は真横を南海電鉄が走っていく姿が見えて面白いと思います。泉北高速鉄道に乗ると、泉北ニュータウンにたくさん団地が見えるからそれもいい。

小林:関東でいえば、千葉ニュータウンを走る北総線のような路線ですね。

団地を見るために鉄道が走ってるというくらいに。

太田:ボクはそう思ってます(笑)。

小林:今いる場所のすぐそば、森之宮団地も環状線の車内から車庫と団地が一挙に見えるので、お得感があります。

谷田:住戸に入居していただけるなら、新長田駅前団地は鉄道と駅前にある鉄人28号の像までよく見えますよ。

太田:団鉄鉄になっちゃいますね(笑)。

三瀬:昔でいえば、姫路の高尾アパートがこれぞというべき団鉄でしたけど。姫路モノレールの駅が団地内にありました。

太田:あれはかっこいいですね。

谷田:もう解体されてしまいましたけども。

団地と鉄道の美しいハーモニー、これからOURS.でもさらに追求していけたらと思います。団地鉄/団鉄なのかという発信することばの問題は置いておいて。

太田:その問題、解決してなかったですね(笑)。とりあえず、両方のタグつけて発信していきます!

今回は特別に、森之宮団地内からの眺めも太田さんに体験してもらいました。大阪メトロの森之宮検車場を見て。

大阪環状線と森ノ宮車庫をのぞむ。「201系ももう間もなく見られなくなりますね」なんて話しながら。

「今日はいろんな夢が一度にかないました!」。

取材・文:竹内厚 写真:中村寛史
(2018年12月27日掲載)


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借り暮らし、貸し借り、賃貸にどんな可能性がひそんでいるのか。多彩に活躍する方々へのインタビュー取材を通してその魅力に迫ります。いいところ、大変なところ、おもしろさ、面倒くささ…きっといろんなことが浮かび上がるはず。

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