




「部屋にうたえば」でも写真から短歌を作るというのをやっていますが、短歌と写真の組み合わせでビジュアル的に魅せる、というのをずっと取り組んできた歌人がいます。田中ましろさんです。
2010年創刊の短歌と写真のフリーペーパー「うたらば」には毎号多くの短歌の投稿があり、本当にフリーペーパー? と驚くようなおしゃれな冊子でとても人気です。写真がきれいなのはもちろんなのですが、いろんな人の短歌をまとめて読めるというのも嬉しいところです。(私も投稿していました!)
ましろさんは自ら写真も撮っていて、これまでに2冊の写真歌集を作っています。会話をするように撮られた写真と、繊細に言葉を拾い集めて綴られた短歌を読んでいくと、まるで静かな恋愛映画を観ているようです。包み隠さずにそのままの気持ちをさらっと表現できるのが、ましろさんの短歌の魅力。作者と同じ目線で短歌の世界に入ることができる、ちょっとドキドキする非日常の読書体験は、写真歌集ならではかもしれません。
田中ましろ(たなかましろ)
滋賀県生まれ、大阪府在住。
短歌と写真のフリーペーパー「うたらば」を企画・制作しながら、自らも写真×短歌の作品を発信中。第一歌集『かたすみさがし』(書肆侃侃房)、写真歌集『燈心草を香らせて』『傘、魚、花が花芯を持っていること』など。
Twitter:@tnkmsr_photo
Web:http://www.kokoiru.com/
谷じゃこ(たにじゃこ)
1983年大阪生まれ、大阪在住。短歌のzineを作るなどフリーで活動。『クリーン・ナップ・クラブ』『ヒット・エンド・パレード』『めためたドロップス』、フリーペーパー「バッテラ」(奇数月発行)など。鯖と野球が好き。
Twitter:@sabajaco
Web:http://sabajaco.com/
※今回のお題写真は、過去に新千里北町団地を撮影した写真記事から。撮影は加納俊輔。
→https://karigurashi.net/ours/shunsuke_kano-05/