部屋にうたえば

一枚の部屋の写真から
二人の歌人が短歌を綴ります。
23回はなべとびすこさんを迎えて。


 作ったカードゲームは大人気、WEBマガジンを立ち上げ、初心者向けワークショップの講師の依頼も多いなべとびすこさん。活動が多彩すぎて、一言で表すのは不可能です。とはいえがんばって表すなら、誰でも気軽に遊びながら短歌を作り、できた短歌の鑑賞までを楽しむカードゲーム「57577」「ミソヒトサジ」も、多彩なライターによる短歌の味わい方などの記事のほか、ゲームで旅をして短歌を作る記事「桃太郎電鉄吟行」までバラエティに富んだ記事を載せるWEBマガジン「TANKANESS」も、短歌のおもしろさを多くの人に知ってほしいという思いから作られたものなのでしょう。
 なべとびすこさんは、短歌を作る上でも思いが全面的に出るところが魅力です。先輩の結婚が嬉しすぎた連作も、サイゼリヤへの愛を爆発させた連作も、気づいたら好きが突き抜けててもう短歌いっぱいできてたわ〜とでもいうような、好きな人やものを好きな気持ちのまま短歌にする軽やかさがあります。サイゼリヤ連作はなべとびすこさんのnote(https://note.com/nabetobisco/)で読めます。
 さらに思いが溢れるものが、地元です。今回の連作も、地元の街を思い浮かべながら作ってくれています。暮らす人の生活を大きく包むものが街だし、実際にある建物や道にこの人はいたんだという実感を持って短歌を味わえます。また、なべとびすこさんは短歌の活動以外にサイファーも開催しています。ラップは地元に根ざしたものが多いし、地元を短歌に詠むこととも似ている気がします。「部屋にうたえば」で特定の街から短歌を作ってくれたのは、なべとびすこさんが初めてじゃないでしょうか。写真に地元の面影を感じ取ったのかもしれませんね。


なべとびすこ

生まれてこのかた大阪市で生活。「57577 ゴーシチゴーシチシチ」原案・ゲームデザイン、「短歌カードゲーム ミソヒトサジ〈定食〉」制作。短歌のwebマガジン「TANKANESS」(https://tankaness.com/)編集長兼ライター。
Twitter:@nabelab00


谷じゃこ(たにじゃこ)

1983年大阪生まれ、大阪在住。短歌のzineを作るなどフリーで活動。『クリーン・ナップ・クラブ』『ヒット・エンド・パレード』『めためたドロップス』、フリーペーパー「バッテラ」(奇数月発行)など。鯖と野球が好き。
Twitter:@sabajaco
Web:http://sabajaco.com/

※今回のお題写真は、過去に新千里東町団地を撮影した写真記事から。撮影は米田真也。
https://karigurashi.net/ours/yoneda-10/

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