部屋にうたえば

一枚の部屋の写真から
二人の歌人が短歌を綴ります。
24回は奥村鼓太郎さんを迎えて。


 奥村さんは現役の大学生。神戸大学短歌会と京大短歌に所属しています。大学の短歌のサークルで、歌会や勉強会のほか、機関誌の刊行などの活動をしています。これまでの「部屋にうたえば」で紹介した、橋爪志保さん(第二回)や阿波野巧也さん(第十一回)も大学短歌会の出身です。社会人になってから短歌を始めた人は、大学短歌会で短歌をしてみたかったなぁ……と言う人も少なくありません。
 そんな大学短歌会の枠を越えて注目されている奥村鼓太郎さん。ポケットに手を突っ込んだら硬貨が何枚か出てきたよ、というような、さりげないかっこよさがあります。美しい景色に詩情を見つけるというよりは、見えたもの聞こえたものを頭で整理して、その思考の過程から詩情をつまみ上げて短歌にしているイメージ。一見無造作な文体が、短歌をより冷静でスマートに演出しています。
 「かみのけを伸ばすって今決めたから、様になってくるのを見てて」(ネットプリント「越冬隊」vol.2より)こんなチャーミングな短歌も作ってはります。転がってきたサッカーボールを蹴り返してあげる軽やかさで、短歌を作ることを楽しんでいるんやろうな、と思えるところも魅力。もう十分様になってるけど、まだまだ見とかないとですよ。


奥村鼓太郎(おくむらこたろう)

大阪在住。神大短歌会、京大短歌、ユニット「越冬隊」等に所属。


谷じゃこ(たにじゃこ)

1983年大阪生まれ、大阪在住。短歌のzineを作るなどフリーで活動。『クリーン・ナップ・クラブ』『ヒット・エンド・パレード』『めためたドロップス』、フリーペーパー「バッテラ」(奇数月発行)など。鯖と野球が好き。
Twitter:@sabajaco
Web:http://sabajaco.com/

※今回のお題写真は、過去にリバーサイドほんじょうを撮影した写真記事から。撮影は中村寛史。
https://karigurashi.net/ours/lifestyle-05-03/

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