住民さんと学生とのコラボで、いつもきれいに花が咲く
2016年11月19日、URアルビス緑丘の共同花壇で、住民さんのボランティアグループ “花いっぱい”と大阪府立園芸高等学校(池田市)の学生たちが、冬の花の植え付け作業を行いました。
花を好きな気持ちは世代を超える
「手間がかかりすぎない植物を。」と園芸高校フラワーファクトリー科の奥村倫子先生が選んだのは、パンジーと葉牡丹。パンジーは花がら(咲き終わっても残っている枯れた花)が出にくく、冬の園芸植物の代表である葉牡丹は、伸びてきた花芽を切り取るとお正月過ぎまで長持ちします。「“花いっぱい”のみなさんは、よくわかっておられるので安心です。」奥村先生が定期的に見回りに来ると、いつもきれいに花が咲いているそうです。10年に渡る活動の中で育まれた信頼関係が見えるようでした。
いよいよ植え付け。男子学生たちがちょっと離れた場所から「根をほぐしてから植えてくださーい。」「1株に2個ずつ肥料を置いてくださーい。」と声を掛けます。「葉牡丹は赤いのと白いのと交互なんか?」「お兄ちゃんこれでええの?」と、手を動かしながら質問が飛び交い、“花いっぱい”のみなさんと学生たちの距離が近づきます。
暮らしの中のみどりを守る
「苗の準備やデザインを考えてくれて助かる。」「高校生と一緒に作業すると、元気が出る。」“花いっぱい”のみなさんは、いずれ成長し、植物を守り育てる仕事に就くであろう学生たちとの作業を楽しみにしています。
住民さんのボランティアグループ“花いっぱい”のリーダー黒田高正さんは、アルビス緑丘が建替えられる前、緑丘団地と呼ばれていた時からずっと、この団地にお住まいです。植物の手入れが好きでボランティアへの参加を始めました。メンバーは現在15名ほど。3班に分かれて、1週間交代で花の世話をしています。「高校生たちが作った花を守ってやりたい。」美しい花壇は、こうした思いと地道な活動が支えています。
“花いっぱい”には以前はもっとたくさんメンバーがいましたが、高齢化で徐々に減っているといいます。「若い人にもぜひ来てほしい。」と黒田さん。こうした取り組みが続けていけるのも、コミュニティの力があってこそ。定期的にメンバーの募集をしているそうです。
地域コミュニティとのつながり
この共同花壇は、URが緑丘団地の建替工事をしていた2005年、団地の馬坂哲平自治会長をはじめとする団地にお住いのみなさんの「新しい住まいにふさわしい、若い人の感覚を取り入れた花壇を。」という考えから、設置が計画されました。団地からほど近い園芸高校へ協力を要請し、当時の高校3年生が設計。URが施工して2006年春に完成しました。
それから10年。毎年5月と11月に園芸高校の生徒たちが“花いっぱい”のみなさんと交流をしながら花の植え付けをしています。この活動は池田市の “花いっぱいプロジェクト”の補助を受けながら、花の苗の準備や植え付けの作業は園芸高校の教育課程の一環として行われています。学生たちは冬の間に5月の苗の準備をして、次の学年に引き継ぎます。
笑顔で植え付け作業は終了。ちょうどそこへベビーカーを押しながら通りかかった方が、「きれいになったね!」と赤ちゃんに話しかけていたのが印象的でした。 学校や市を含めた地域と、団地の住民が共同で作りあげる花壇は、「池田市で一番きれいな花壇だ!」とみなさん胸を張っていました。