Design

団地の環境、空間、色彩、カタチ…。団地の”デザイン”には面白さがつまっています。

団地のデザインには 面白さがつまっている

古都の風情が息づく奈良学園前・鶴舞 vol.3~風景を取り込む暮らし~

関西を代表する文教地区の一つである学園前に位置する「奈良学園前・鶴舞」。昭和37年より管理開始された本団地は平成22年より第Ⅰ期から第Ⅲ期にかけて建て替えを行ってきました。
今回紹介する平成30年に管理開始された第Ⅲ期では、第Ⅰ・Ⅱ期のデザインを継承しながら、周囲との修景を意識したまちをつくりました。

古都の風情が息づく奈良学園前・鶴舞 vol.1~中庭を内包するまち~ はこちら
古都の風情が息づく奈良学園前・鶴舞 vol.2~集う人々を温かく迎えるあかり~ はこちら
古都の風情が息づく奈良学園前・鶴舞 vol.4~周囲の修景がつながる暮らし~ はこちら

 

〜奈良の山々を望む上質で安心安全な暮らし〜
近鉄奈良駅「学園前」駅より徒歩約10分の丘に佇む奈良学園前・鶴舞からは、若草山や生駒山と美しい稜線と共に眺めることができます。

住棟より東方面(若草山方面)を望む

 

奈良学園前・鶴舞第Ⅱ期に隣接する第Ⅲ期では、第Ⅰ・Ⅱ期で創出されたリズムある外壁デザインを継承。低・高層階の二層を異なる色を用いて水平に分節し、建物ボリューム感を抑えたまとまりのある街並を創出しています。

奈良学園前・鶴舞第Ⅰ期

奈良学園前・鶴舞第Ⅱ期

 

統一された各棟の色のトーンは学園前住宅に相応しい上品な設えに。住棟の最上階ではハイサッシを採用し、開放感のある眺めを堪能できる上質な居住空間を演出しています。


 

白と茶色のコントラストを取り入れたエントランスの壁面は、落ち着いたレンガ調に統一。足元周りはレンガ調や砂壁調といった有機質(質感のある材質)を使用し緑との調和を図っています。

 

エントランスの二面に住棟番号を配置することで視認性を高めます。住棟番号下のラインカラーは奈良の伝統色を使用しています。※Ⅱ期からラインカラーを採用。Ⅲ期は2色で展開。

 

エントランスはガラス貼りとし、視線の通り抜けを確保し死角を作らないことで、コンパクトでありながらも安心感と解放感を持たせるよう配慮しています。

 

自転車置き場はレンガウォールで囲い、住棟の質感との統一性を図りながら、自転車の目隠しを行います。また床材を貼り分け、空間構築にメリハリを効かせています。

 

住棟内の共用廊下は、歩行空間とアルコーブの床材に濃淡を付け区域分け。1階は擁壁ではなく、樹脂手摺等の細部材を使用し、開放感がある明るい空間に。
また、セキュリティの視点からフェンスを住棟の際に寄せず、少しセットバックし植栽を配置しています。

 

~安らぎを感じられる夜間景観の演出~
照明計画は第Ⅱ期も手掛けられた株式会社LEM空間工房の長町志穂氏が担当。
夜間は、住棟に鉛直に照明を施すことで、住棟の陰影を映し出し印象的なファサードに。また、照明を電球色で統一することで、住宅らしい温かみのある景観を創出します。

夜間でもエントランスの住棟番号が分かるよう、必要な場所に必要な明るさを確保しています。

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