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今日も団地では楽しい笑い声が聞こえます。人と人がつながる”団地暮らし”の魅力とは。

人と人がつながる 団地暮らしの魅力

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団地に届け!”おいもはん”のハガキ

URと大阪芸術大学芸術計画学科の学生たち、谷悟先生が協働事業で進める『Art Project』。本年度は富田団地で “富田 アートライフ2016 ココロ ツナガル おいもはん”がスタートしました。前回のおいもはんハガキ制作の記事はコチラhttp://vidanchi.jp/kansai/life/oimohan01/)からどうぞ。

11月5日に行われた文化祭に合わせて、“富田 アートライフ2016 ココロ ツナガル おいもはん”の集大成であるハガキ展示が行われました。ハガキは、以前開催された芋掘り大会で、住民のみなさんがその畑で採れたサツマイモを使って制作した芋はんを押したり、団地へのメッセージを書いたものです。芸大生が制作した“しらさぎポスト”へ、合計78枚のハガキが投函されました。そのハガキを使ったインスタレーションを集会所下のピロティで展示するとともに、映像作品を団地の壁に投影をしました。
 インスタレーションとはひとつの空間全体を作品とする芸術表現のことで、学生たちが集会所下ピロティに赤い紐を張り巡らせていきます。“しらさぎポスト”を中央に置き、しらさぎのくちばしに紐の端をくわえさせ、余りは首にリボンとして巻きました。まるでしらさぎが富田団地にハガキを運んでくれたかのような演出です。「今回のプロジェクトの最初に制作したしらさぎポストは、富田団地自治会が約40年間毎月発刊する自治会新聞『しらさぎ』が由来です。富田団地のコミュニティ活動の象徴だと思うので、今回のインスタレーションでも活躍してもらいました。」と通信教育部美術学科4年生の大地泰輔さん。

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紐にハガキを付けていると、芋はん作りに参加してくれていた子どもたちがやってきました。「私が作ったハガキもある?」「ハガキ付けたい!」と、ハガキを探したり紐をくぐって走り回ったりと、インスタレーションを楽しんでいました。

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学生たちは「17時から団地の壁に映像を投影するので、よかったら見に来てください。」と住民のみなさんに、芸大生が制作したチラシを配ります。芸術学部芸術計画学科1年生の服部瑞穂さんが制作したチラシで、当日の様子をイメージしやすいよう団地の壁にみなさんのメッセージを投影している画像を入れるなど、デザインに工夫を凝らしました。

映像制作を手掛けた芸術学部芸術計画学科1年生の小田望楓さんは「集まったハガキをすべて映像に使いました。一枚ずつに想いが詰まっていて、動画を作りながらほっこりした気持ちになりました。それらをひとつの作品にできて、みなさんの想いがより濃くなったと思います。」と、語りました。映像に付ける音楽は芸術学部音楽学科卒業生で現在は、デザイン学科副手を務める四宮基稀さんが担当。「この団地だからこそ生まれた音楽を作りたかったので、団地を散策したり、団地の空き室を利用させていただき、生活音を録音しました。ドアや窓を開ける音、遠くから聞こえる学校のチャイムなど、団地の暮らしの中で感じられる親しみを持った音を使っています。」
 映像が始まると、あちこちで歓声があがります。水泡のようにふわふわとハガキの絵柄が浮かんでは消えていく癒しのある映像は、富田団地の絆やコミュニティの繋がりを表すように優しく暖かみがあります。住民のみなさんは「あのハガキがこんな美しい映像になったなんてびっくり!さすが芸大ですね。」とスマートフォンで動画や写真を撮りながら楽しんでいました。富田団地の自治会長を務める澁谷さんは「団地の壁を使うとは驚きました。ピロティでの展示も含めて初めてのことですが、学生さんたちが頑張ってくれたおかげで、富田団地と住民のみなさんとの間に素敵な思い出が増えました。」と笑顔で映像を見ていました。

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谷先生は「しらさぎポスト制作の時から、住民のみなさん自ら声をかけてくださることも多く、富田団地のあたたかい空気を感じながら一連のプロジェクトを進められました。その場所と呼吸しながら作り上げたインスタレーションや団地の壁に投影した映像作品は、いずれも、“はじめに富田団地の住民のみなさんありき”というスタンスを最も大切にしました。我々が何かを表現したというよりは、この取り組みに参加していただいた方々の想いを集め、結晶化させたところに意義があるのです。団地における暮らしの中で、アートが<日常のアクセント>となり、クリエイティブな団地ライフをますます展開されることになればと思っています。富田団地には、そのような土壌が確実に育まれつつあることを確信しています。」と語られました。
 これで、 “富田 アートライフ2016 ココロ ツナガル おいもはん”は無事終わりを迎えました。これからもURと大阪芸術大学芸術計画学科の学生たち、谷先生が協働事業で進める『Art Project』は続きます。次はどのようなアート活動になるのかお楽しみに!

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